野村佑希 メンタルトレーナーと心を強化 〝朝のリモート読書会〟の中身は…
九回2死満塁、逆転のサヨナラ打を放ち、チームメートと喜ぶ野村(中央)=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ19回戦 オリックス5-6日本ハム(8月19日、エスコンフィールド北海道)
サヨナラ打を含む4安打!
日本ハムの野村佑希内野手(25)がチームを劇的勝利に導いた。2点を追う九回、オリックスの守護神・マチャドを攻め、3本のヒットなどで2死満塁とした。ここで野村が前進守備の右中間を深々と破る走者一掃の3点二塁打。土壇場で殊勲の一打を放って見せた。
九回2死満塁、野村が逆転のサヨナラ打を放つ
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2年前から取り組むメンタルトレーニング
自分の心の未熟さを認め、どうすれば成長できるのか、自問自答を繰り返してきた。約2年前から、個人でメンタルトレーナーを付け、定期的に〝対話〟を続けた。
「自分の出来事を話しながら、自分の感情の起伏だったり考え方だったりに、会話の中で気付いていく感じ。ウエートトレーニングとか、そういう勉強とはまた別なんです。メンタルが強くなった、弱くなったという感覚はないんですけど、考え方が変わったかな。会話をしながら、無意識に変わっていくという感じですね」と変化を実感している。
自らの意思で選択
日本ハムも球団として、選手のメンタルケアに注力している。それでも野村はあえて、自分でパートナーを選んだ。
「球団の方も、いろいろ用意してくれていると思うんですけど、用意されたものじゃなくて、自分で行動して、納得した上で、いろいろ取り入れていくことも大事だと思ったので」と意図を明かした。

「読む習慣をつくってもらうために」
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心を整え、成長するための方法の一つとして、朝の〝リモート読書会〟を取り入れている。
「ズームでつなげながら、そのトレーナーの人と何人かで読書会みたいなことをやってくれている。僕、1人で本を読むと飽きちゃうので、読書会の人たちに助けてもらって、いろんな本を読んでいます。時間を決めて、朝の20分ぐらいですけど。『今から20分間、本を読みます』と言って読んで。もともとは活字があまり得意じゃなくて、自分でだとなかなか読めないので、読む習慣をつくってもらうためにやってもらいました」
逆転のサヨナラ打を放ち、新庄監督(左)と喜ぶ野村
参加者とディベートも
画面の向こうにいる人たちと同じ本を読むのではなく、それぞれが思い思いの本を読む。
「別の本を読んで、その本に対するディベートというか、感想を言う。読んだ内容を伝えて、そこはこうだね、こうだね、みたいに話して朝が終わる。しっかり読んだ上で、アウトプットをして、話して、頭を整理して内容を理解していくような感じです」
数字では計れない心の成長 「やって良かったと思います」
心のトレーニングは、結果が数字では表れない。それでも、野村は「やって良かったと思います」と断言する。「数字で表れない部分というか、自分で評価できない部分だと思いますけど、そのへんは周りの評価とか、そういう部分で変化が訪れればいいなという感じですね」
技術、体力だけでなく、心の強化にも重点を置いてきた成果は、グラウンドでの活躍に間違いなく、つながっているだろう。
ヒーローインタビュー後、グラウンドを一周し、ファンに手を振る野村