野村佑希 苦しみながら3安打 今は4番に執着なし「出なければ可能性は0%。ありがたい」
四回2死二塁、左前に適時打を放つ野村=撮影・松本奈央
■パ・リーグ17回戦 日本ハム7-1オリックス(8月2日、京セラドーム大阪)
3カ月ぶりの猛打賞で勝利に貢献
日本ハムの野村佑希内野手(25)がスタメン出場し、四回に点差を広げる貴重な適時打を放った。二回の内野安打、九回の左前打と合わせて、およそ3カ月ぶりの3安打固め打ち。開幕4番に指名された主軸は、苦しみながらも必死にもがいている。
【ファイターズの最新記事はコチラ】
積極姿勢が奏功 「ひとまずホッとしている」
4番もスタメンも確約されていない。置かれた立場を誰よりも理解している。何よりも、結果が欲しかった。一回は三遊間へしぶとく内野安打。二回と九回はファーストストライクを逃さず、左前にはじき返した。
バットで勝利に貢献し「形としてもっといい打球はあったかもしれないですけど、狙い球を決めて、しっかりヒットコースに飛ばすことができました。苦しい部分はずっとありましたし、出場するタイミングもどんどん難しくなっていた。ひとまずホッとしているというか、結果として表れたのは良かったです」と安堵した。
四回2死二塁、適時打を放った野村=撮影・井上浩明
好スタートも負傷離脱で立場が一変
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
5月15日に左内腹斜筋肉離れで登録抹消となったが、それまでは4番を担った。打率.291、6本塁打、17打点を記録。得点源として機能していた。治療、リハビリを経て1カ月後に戦列復帰したが、新庄監督は「けがも実力のうち」と、4番固定を解除。以降はその日の状態や投手との相性を踏まえ、起用された。
6月14日を最後に本塁打が出ていない。打率は徐々に下がった。タイミングやコンタクトのズレを修正しようと、試行錯誤してきた。一方で、球宴期間に設けられた2日間の休養日は体のケア、メンテナンスに時間を割いた。
打順へのこだわりは皆無
この日の打順は下位の8番。今季初めてだったが、悔しさは全くなかった。
「仕方ない。出られない時間に比べたら、何番でも試合に出られた方がいい。どんなに調子が悪くてもヒーローになるチャンスがある。出なければ可能性は0%。チャンスをもらえるだけ、ありがたい」と感謝した。
気分転換しながら野球に集中
もともと1人で考えすぎて煮詰まってしまうタイプだが、今は違う。
「主に自主トレをサポートしてくれている人たちが、シーズン中のオフもリフレッシュに付き合ってくれて、ご飯に行ったり、話したり。そのおかげでうまく切り替えをしながら野球に集中できている。いろんな人に助けてもらっています」。グラウンド外の時間も大切にして、エネルギーを蓄えている。

チームとともに勝負の後半戦へ
優勝争いは一層、激しさを増す。野村は勝つための仕事を強く意識し「後半にかけて、どれだけ上げられるか。個人としてもチームとしても大きく変わってくる。みんなの状態がいいですし、そこに加わっていければ」と謙虚に前を向いた。
ネガティブな感情は全くない。逆襲の気概を胸に、最後まで戦い抜く。