野村佑希 心がけている投手への声掛け タイミングを伝授してくれた谷内コーチが掛ける大きな期待
一回、マウンドに集まり、北山(中央右)に声を掛ける野村(同左)=撮影・中川明紀
■パ・リーグ13回戦 日本ハム10-1西武(7月16日、ベルーナドーム)
勝っても自らの打撃には厳しい評価
日本ハムの野村佑希内野手(25)が、「6番・一塁」で先発出場し、4日の楽天戦(エスコン)以来、出場6試合ぶりの打点を挙げた。
1点を先制した直後、一回2死二、三塁で迎えた第1打席。先発・渡辺のストレートを詰まりながらも中前へ運んだ。2点適時打となったが、試合後の野村は険しい表情だった。「全然、ダメですね。みんなが打ってくれたので、もうちょっといい打席を増やしていかないとなと思います」。
一回2死二、三塁、野村が2点適時打を放つ=撮影・小田岳史
一回のピンチでマウンドに駆け寄り
打撃の状態が上がらず苦しむ中、野村はチームのため、何ができるか常に考えている。守備中、投手がピンチを招くと、すかさずマウンドに行くようにしている。この日も一回に先発の北山が1死二、三塁と走者を背負うと、三塁の郡司と共に声を掛けるシーンがあった。「行くようにしています。郡司さんもキャッチャーなので、誰かが行けばいいと思っています」。
こんな思いがある。「キャッチャーが行ける回数は限られているので、行けるときは行こうかなというのと、勝ちパターンの中継ぎとかリズムがある人の時は気を使いますけど、先発とかなるべく余裕があれば行こうかなと。(声掛けは)難しくないですよ」。
谷内コーチの後押しで3年目に転機 僕自身がイライラしていても…
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転機となったのは、1軍に定着したプロ3年目。現役だった谷内内野守備走塁コーチの後押しがあった。同コーチは「僕が行きすぎでもアレだから野村に行けと言っていた。今も積極的に行ってくれています」と振り返る。
プロ7年目を迎え、今は自発的に行くようになった。「その時(3年目)は行けるようにタイミングとか(合図を)送ってもらっていましたけど、先発(投手)の時は行くタイミングは自分で。ファースト、サードは近いので、心がけています。僕自身も打てなくてイライラしている時もあるので、話して発散もあります。しゃべりに行って」。
2月1日、春季キャンプの特守の練習中に野村(左)と話す谷内コーチ
若い野手が行くのは気を使う
勝ちパターンを担う投手は独特のリズムがある。その時はベンチにいる谷内コーチに「行っていいタイミングか」確認。中心選手として自覚を持って行動する姿を、同コーチも頼りにしている。「(勝ちパターンの投手は)行きづらいんですよ。間を空けた方がいいなと思っていても、ピッチャーが入り込んでいる中で、若い野手が行くのは気を使う。ベンチとしてもピッチングコーチが行けないとか、キャッチャーも行けないときは野村に行かせるようにしています」。
チームのリーダーには内野手が適任
外野を守ることもあるが、本職は内野手。2023年限りで現役引退し、指導者に転身した谷内コーチは同じポジションだった野村のことを気に掛けてきた。
「試合の流れを読めたり、ここが危ないとか危機察知能力がついてきたら、もっと自分も試合の中で活躍できる機会が増える。野村が積極的に行ってくれたら、4番で内野でああやって引っ張ってくれているならこの上ない感じですね。(チームのために)やろうという精神がすごく見えるし、ありがたいし。僕は常々、内野がチームのリーダーにならないといけないと言っていますから」。〝谷内さん〟の期待を一身に背負い、背番号5はグラウンドに立っている。
三回、北山(左)に声を掛ける野村(右)
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