矢沢宏太 先制打&好走塁で九里を攻略 先発7試合連続安打に「自分のやるべきことをやれている
一回無死二塁、先制打を放った矢沢(左)=撮影・松本奈央
■パ・リーグ14回戦 オリックス3-7日本ハム(7月12日、エスコンフィールド北海道)
「2番・右翼」で先発し4打数2安打1打点
日本ハムの矢沢宏太投手兼外野手(24)が「2番・右翼」で先発出場。一回無死二塁のチャンスで、右前への先制タイムリーを放つと、三進から巧みな走塁を披露し、2点目のホームを陥れた。
好調の打撃と持ち前の快足を発揮して4打数2安打1打点を記録し、チームの勝利に貢献した。
わずか10球で難敵から先制点
今季、1勝3敗と苦手としていたオリックス先発・九里。その牙城を崩すきっかけをつくり出したのが、1番・五十幡&2番・矢沢の快足コンビだった。
一回、先頭の五十幡が右前打で出塁すると、続く矢沢の打席で二盗。リードオフマンとしての役目をきっちりと果たして、矢沢にバトンを渡してくれた。「1番バッターが塁に出てくれて、変化球の時にスチールを決めてくれて。それだけでだいぶやりやすい打席になったなと思います。本当に頼もしい1番です」。その働きに応えるように右前打を放ち、五十幡が先制のホームイン。難敵相手に快足コンビが、わずか10球で先制点をもぎ取った。
一回無死一塁、五十幡(右)が二盗を決める
してやったりの好走塁
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矢沢の見せ場はこれだけでは終わらなかった。1死一、三塁とチャンスが拡大すると、前進守備を敷かれていた中、石井の二ゴロでホームに突入。相手捕手のタッチをかいくぐり、試合の流れを大きく引き寄せる追加点をゲットした。
「あれはギャンブルスタートで。良いスタートを切れたし、良いヘッドスライディングだったかなと思います」。自慢の俊足で奪い取った得点に胸を張った。
一回1死一、三塁、石井の二ゴロが野選を誘い、三走・矢沢が生還(手前右)
今季7度目のマルチ安打に納得
8日のロッテ戦以来3試合ぶりの先発出場。試合開始前の時点で、先発6試合連続安打中と好調だった打撃は、この試合でも光を放った。八回の第5打席では左前打を放ち、今季7度目のマルチ安打を記録した。
「スタメンで出るとある程度、どういうプランでいくか整理しながら打席に立てている。内容のある打席がすごく多いのかなと思います」と好調ぶりを自己分析する。「ピッチャーによってプランを持って打席に立って、プラン通りいかなかった時も、そこを気にせずに、自分が決めたことを打席内でやるということを徹底している。自分のやるべきことをやれていることが、今ヒットが出ている理由なのかなと思います」。まだまだ好調ぶりを披露していきそうだ。
一回、好走塁を見せ、生還した矢沢(中央)
4戦全勝の1、2番コンビ
五十幡&矢沢の1、2番コンビでスタメン出場した試合は、この日も含めて今季4戦全勝だ。球場への往来の際には五十幡の車に同乗するなど、プライベートでも仲の良い快足コンビが、チームに勢いをもたらしている。
試合終了後、チームメートとハイタッチを交わす矢沢(手前右から2人目)と五十幡(同3人目)
新庄監督も頼りにする〝スピード系オーダー〟
「僕らが機能しなければ始まらない打線ですし、逆に僕らが打ったり、塁に出れば、つながってくるというのを感じている。なんとか2人が束になってやっていけたらなと思っています」
新庄監督が〝スピード系オーダー〟と称する2人の自慢の足が、今後もライバル球団に脅威を与える。
お立ち台で”かわいいポイント”を八重歯と答え、照れる矢沢(左)と笑顔の清宮幸