矢沢宏太 一回に先制二塁打 先発2戦連続マルチを生んだ東京ドームでの気付き
一回無死一塁、矢沢が先制の適時二塁打を放つ=撮影・松本奈央
■セ・パ交流戦2回戦 日本ハム3-2中日(6月21日、バンテリンドームナゴヤ)
スタメン起用に応える2安打1打点
日本ハムの矢沢宏太投手兼外野手(24)が「2番・左翼」で先発出場。一塁に五十幡亮汰外野手(26)を置いての第1打席で先制の適時二塁打を放った。
五回の第3打席では高いバウンドの打球を放ち、一塁への内野安打。19日の巨人戦に続き、先発2試合連続のマルチヒットで、チームの交流戦4カード連続勝ち越しに貢献した。
一回に速攻で奪った先制点
電光石火の先制劇だった。一回、先頭の五十幡が中日のエース・高橋の立ち上がりを攻め、中前打で出塁してチャンスメーク。続く矢沢が放った打球は左中間を深々と破った。一塁から五十幡が快足を飛ばして、一気にホームへと生還。2人合わせてわずか6球で生み出した先制シーンとなった。
「初回なので、(ピッチャーの)ボールの力も強いですし、コンタクトというのを意識して打席に立ちました。きょうのミーティングで『1番バッターがチームを勇気づけるような打席にしてほしい』という話があった中で、イソさん(五十幡)がセンター前へのクリーンヒットで出てくれて。本当にそれに乗っかって打ったというような感じでした」。お膳立てしてくれた五十幡への感謝とともに、チームに良い流れを引き寄せた。
一回無死一塁、矢沢の二塁打で本塁へ走る一走・五十幡(右)=撮影・井上浩明
〝初コンビ〟では揃って5-0
五十幡との1、2番コンビで先発出場したのは今季3度目。だが、初結成となった今月8日のDeNA戦では、2人揃って苦汁をなめさせられた。1番の矢沢、2番の五十幡ともに5打数無安打だった。
「ハマスタで1、2番を組んだ時は全然、2人とも打てなかった」
雪辱を果たした東京ドームでの巨人戦
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そんな2人にとっての転機となったのが、2度目のコンビ結成となった19日の巨人戦だ。
「この間の東京ドームでは『リベンジだな』という話をしながら2人で試合に臨みました」。決意を新たにして挑んだ結果、矢沢は2安打、五十幡は1安打をマーク。ともに盗塁を記録するなど、快足コンビとしての真価を発揮してみせた。
一回1死一、三塁、郡司のセーフティースクイズで本塁生還する矢沢
効果あり!? 先輩へのプレッシャー
結果を出して迎えたこの日も「(五十幡の)1打席目は、『絶対、打ってくださいよ』とプレッシャーをかけて1番の打席に立ってもらって」と、互いに意識し合うことで、再び結果に結びつけた。日本ハムが誇る快足コンビが、今後の戦いでも相手チームに脅威を与え続けていく。
打撃状態は右肩上がり
これで先発出場試合では2戦連続となるマルチヒットだ。一時は打率が1割台まで落ち込んでいたが、状態は右肩上がりだ。きっかけとなったのは、19日の巨人戦での第2打席だ。
「一時期(調子)はあまり良くなかったですけど、この間の東京ドームで進塁打のサインが出た時に結構、軽く振ってコンタクトしにいって、ヒットが出た。その時に『あ、これくらい(のスイング)でも、このクオリティーの打球が飛んでいくんだな』というのを感じて。力感(をつかめた)というところはあると思います」。今後は走塁はもちろん、その打棒でもファンを沸かせてくれそうだ。
一回無死一塁、矢沢が先制の適時二塁打を放つ
目指すは逆転での交流戦V
この日はほかのパ・リーグ5球団が総崩れ。リーグ首位の座を固めたことはもちろん、交流戦でも単独2位に浮上した。首位ソフトバンクとのゲーム差を0.5に縮めて、逆転優勝の可能性をつないだ。
「あと1試合、勝つだけなので、チーム一丸となってやっていきたい」。2007年以来2度目となる戴冠を目指し、最後の戦いへと挑む。
一回無死一塁、先制の適時二塁打を放った矢沢