五十幡亮汰 サイクル未遂も起爆剤の役目を全う エラーの悔しさバネに猛打賞
六回無死三塁、水谷の犠飛で三走の五十幡が生還=撮影・小田岳史
■パ・リーグ12回戦 日本ハム13-1ロッテ(7月9日、ZOZOマリンスタジアム)
3安打1打点1盗塁で大勝に貢献
日本ハムの五十幡亮汰外野手(26)が「1番・中堅」で先発出場。サイクルヒットにリーチをかけるなど、6打数3安打1打点の活躍を見せ、切り込み隊長として役割を果たした。
失点に結びつくエラーをした前夜の悔しさを、その打棒でスッキリと晴らしてみせた。
新庄監督からGOサインが出たが…
ホームランが出ればサイクルヒットという状況で迎えた九回の第6打席。レフトスタンドのファンから〝ランニングホームランコール〟が沸き上がった中、五十幡はスタンドインを目指して思いっきりバットを振り回した。
「ボス(新庄監督)からも『三振OKで、ヒットもいらないからホームラン打ってこい』と言われて」。だが、結果は一ゴロ。自身初のサイクルヒットへのチャレンジは、残念ながら失敗に終わった。「そもそもホームランの打ち方があまりよく分かっていないので。狙ってはみたんですけど、まあ難しいですね。『打ち方が分かっていないな』と八木コーチにも言われました(苦笑)」。苦笑いを浮かべながら最終打席を振り返った。
一回、先頭の五十幡が二塁打を放つ=撮影・井上浩明
ヨーイドンでの二塁打で打線に着火
偉業達成とはならなかったものの、この日のリードオフマンとしての働きぶりは顕著なものだった。一回、先頭打者でいきなり右翼線への二塁打を放ってチャンスメーク。ロッテの先発・石川柊の出はなをくじくと、2四球の後にレイエスが先制のグランドスラムを右翼スタンドへ叩き込んだ。
「1打席目(の二塁打)が良かったかなと思います」との言葉通り、この二塁打が五十幡を、そしてチームを勢いに乗せた。
持ち味の小技とスピードも披露
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
1死三塁で迎えた二回の第2打席では、三塁線へのセーフティースクイズを決めて、次の1点をチームにもたらした。「チームプレーが特に求められるタイプなので、そういったところからまずはきっちりやっていきたいという思いはあります」
そして六回の第4打席では左中間への当たりで快足を飛ばし、一気に三塁を陥れた。17安打13得点と大爆発した日本ハム打線の起爆剤の役目を、しっかりと全うしてみせた。
二回1死三塁、セーフティースクイズを決める五十幡
前日のミスを猛省
前日8日の試合では悔しい思いを味わった。3点リードの六回1死走者なしの場面で、中前へのポテンヒットを後逸。打者走者の二進を許すと、これをきっかけにチームは一時同点に追い付かれてしまった。
「無理するところではなかったというのが一番なので。(ボールを)押さえられると、あの一瞬で思ってしまって突っ込んでしまった。あそこは突っ込むところではないので、自分のミスでしたね」
チームの勝利で前を向けた
その後、試合は膠着(こうちゃく)状態となったが、延長十一回にマルティネスのタイムリーで勝ち越し。激戦を制した。
「自分のミスでズルズル行ってしまったというのもあったけど、その中でも勝てたというところが、きょうにつながった。きのう勝てたのはすごく大きかったと思います。自分も反省はしなければいけないですけど、しっかり切り替えてきょうの打席を迎えられたので、そこは良かったんじゃないかなと思います」。反省の心は持ちつつも、必要以上に引きずらずに迎えた試合で猛打賞の活躍。良好なメンタリティーで日々、グラウンドに立つことができている。
六回、先頭の五十幡が左中間への三塁打を放つ
エスコンでのオリックス3連戦へ気合十分
敵地で2連勝を飾り、これでチームは5連勝。次カードでは3ゲーム差で3位に位置するオリックスをエスコンに迎える。
「なかなかゲーム差が開かないので、一戦一戦がすごく大事だと思います」。目指すは優勝。一戦必勝の思いでチームに貢献し続ける。