【一問一答】五十幡亮汰 先制打&会心スクイズで天敵九里を攻略 「気持ちの準備を大切に臨んだ結果」
三回に先制打を放った五十幡(右)がチームメートに迎えられる=撮影・松本奈央
■パ・リーグ10回戦 オリックス0-7日本ハム(5月13日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの五十幡亮汰外野手(26)が七回に2ランスクイズを成功させた。三回には先制打を放ち、3打点を挙げて九里亜蓮投手(33)を攻略。打撃不振に苦しんできた男が、小技と足も駆使して存在価値を証明した。ヒーローインタビューと取材に応じた一問一答は以下の通り。
【ヒーローインタビュー】
―3打点の活躍でした
「ありがとうございます!」
―2年ぶりのお立ち台
「2回目のお立ち台なんですけど、きょうは山県と寅威ママと大海さんと一緒にこの台に立てて、すごい幸せです」
お立ち台でファンの声援に応える五十幡(左から2人目)
―三回の適時打が決勝打に。どんなことを考えて打席に入りましたか
「低めが多い投手なので、高めに浮いてこいと思いながら、コンパクトに打つことを意識したんですけど、最高の結果になってくれて良かったです」
―七回1死満塁で2ランスクイズがありました。決めた感想は
「寅威さんが打席に立っている時から準備をしていて。何かやるんじゃないかなと思っていたので、その準備のおかげで決められました」
七回1死満塁、2ランスクイズを決める五十幡=撮影・井上浩明
―3試合連続ヒット。バッティングの状態は上向きと捉えていいでしょうか
「そうです…いや、はい。楽しもうというチーム(方針)のもとでやっていますけど、結果に苦しんで正直、楽しめないところがあったんですけど、きょうは最高にやったぞー」
―2位オリックスを2ゲーム差に引き離しました。ファンに向けて思いを
「6位までそんなにゲーム差はないですし、一戦一戦が大切な試合になってくるので、一試合を大事に戦っていきます。これからも応援、よろしくお願いします」
【囲み取材】
―スクイズの場面。サインが出た時はどんな心境だったか
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「寅威さんが打ってくれましたけど、寅威さんにも出るんじゃないかなと思ったりしながら。いつ誰に出てもいいというチームの方針なので、ネクストの時から出るんじゃないかなと準備していたので、準備が良かったかなと思います」
七回1死満塁、2ランスクイズを決めた五十幡(右)
―スクイズ以外にはどんな想定をしていたか
「サインではスクイズ。普通に打てのサインだったら、内野も前にいたので、1打席目のように。気持ちを少し楽に考えて、ヒットゾーン広いぞ、と言い聞かせながら打席に入ろうと思っていました」
―2ランスクイズのサインだったと思うが、転がす方向など難しかったか
「まずは1点が欲しい。寅威さんが打ってくれて1点は取れましたけど、その勢いのまま1球で決めたいところではあったので。まずは方向というより、なんとかフェアゾーンに。(3走の)万中(万波)もナイスカバーしてくれましたし、(水野)達稀もそこからなかなか行きづらいところの2ランスクイズでした。走者に感謝ですね」
七回1死満塁、五十幡のスクイズで生還する二走の水野(中央)
―1度しかチャンスがない作戦。不安は
「不安は正直…あるにはあるんですけど、普通の送りバントの場面でも。不安があってもそのためにできることがある。準備。田中賢介さんの話でも、準備が7、8割と言われていましたし、気持ちの準備を大切に臨んだ結果、いい方向に行ってくれたので、今後も重要視してやっていきたいと思います」
―新庄監督が就任してから何度か経験してきた作戦。積み重ねが生きたか
「どの選手にどんなサインが出るか分からないですし、頭を使う機会が増えたので、自分の成長、チームの成長にもつながると思う。それは野球人生の中でも貴重な経験。(成長の)過程を歩んでいるなと」
―新庄監督から何か言葉をかけられたか
「二塁に進んだ時、よくやった、みたいな感じで(ジェスチャーを)やってくれていたので、うれしかったですし、決められて良かったなと思います」
七回1死満塁、2ランスクイズを決めた五十幡(右)
―転がした瞬間に決まったなと思ったか
「決まるかなと思ったんですけど、九里さんがしっかり捕ってトスしていたら、際どかったですし、万中と達稀に感謝。カバーしてくれたなと。自分だけのスクイズではなかったなと思います」
―三回には先制打。大阪遠征中に監督からアドバイスを受けていた
「今までの自分のスイングと逆のスイングをやっているので。正直、難しさというか、いろんな気持ちが混ざりながら試合に臨んでしまっているところがあるんですけど、続けてやっていくしかないですし、理想のスイングをつかめるように練習していこうと思います」
三回1死二塁、五十幡が先制打を放つ
―具体的にどう変えたのか
「もともと上からバットを出すタイプなんですけど、もっとラインに入れて(投球の軌道に合わせて)打ってほしい、という監督からのアドバイスがありまして。今、取り組んでいます。(バットを)肩に乗せて、シンプルに出していく、ということを教えていただいています」
―三回の適時打はその成果が出ているか
「やってきたことはいい方向に行っているんじゃないかと思っていますし、自分の成長につながっていると思います」
―チームが苦手としていた九里投手を攻略できた
「低めが多い投手ですけど、自分に対して塁に出したくないだろうと。先に先に追い込んでくるかな、という考えがあったので、なんとか浮いてこいと思いながら挑みました」
三回1死二塁、オリックス・九里(右)から先制打を放った五十幡
―前カードの楽天戦からスタメン起用が続いている
「チャンスですが…。ここまでの結果に全く満足していないですし、三振も多くて情けないなと思いながら、楽しめていない自分がいるので。そういうところを減らして。きょうのお立ち台はすごくうれしかったですけど、塁に出てチャンスメークできるようなバッターになっていけたら。このチャンスを生かしたいという気持ちは強いです」
―監督はあえて、バッティングは期待していないと
「期待されていないのは分かっているので(笑)。それとは逆に、守備で期待してくれているというところはあると思いますし。守備からリズムをつくるという大切さも、新庄監督になってから余計に感じている。そういうところで信頼を厚くして、いずれバッティングでも期待されるような選手になります」
七回、山県の適時打で生還した五十幡(右から2人目)を笑顔で迎える新庄監督(左)
―監督は首位で独走したいと。きょうはなんとしても勝ちたい試合だったか
「九里投手、宮城投手と好投手が続くところで、すごく大事な3連戦になると思う。この勝ちはすごくデカいと思いますし、これを続けられるようにチームで戦っていきたいです」
―新庄監督は試合後に「きょうは50分、五十幡くんに聞いて」と広報を通じてコメントを残していた。まだ9分…
「いやいやいや(笑)。そんなに(話すことが)ないです。大丈夫です」