春全道準Vの旭川実業が3年連続北北海道大会進出 仕事人・藤本主将が3安打1打点【北大会旭川】
北大会進出を決めた旭川実業の藤本主将(右)=撮影・十島功
■全国高校野球選手権北北海道大会旭川支部予選(6月28日、旭川スタルヒン)
▽Bブロック代表決定戦 旭川実業10-0旭川東
※五回コールドゲーム
「まずは自分が出塁」
春季全道大会準Vの旭川実業が、3年連続24回目の北北海道大会進出を決めた。相手の先発投手が1年生でも、藤本琉生主将(3年)は自分の仕事に徹した。「まずは自分が出塁」。その言葉通り、一回1死から左前打でチャンスメークし、続く西村颯汰外野手(3年)の2点本塁打につなげた。幸先良く先制した旭川実業は、三回以降は3得点、4得点、1得点と加点し、理想的な試合運びで旭川東を退けた。
【道スポが全部読める! お得な年払いプラン】
実は岡本監督が一番緊張していた
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
一発勝負のトーナメントに岡本大輔監督(52)も、実はプレッシャーを感じていた。試合前のシートノックでは順番を間違え、キャッチャーフライもうまく上げることができなかった。「試合前に私がたぶん一番緊張していたと思うんですよ」。そんな指揮官に、遠慮なく選手たちからヤジの声が飛ぶのは、チーム状態が良好な証拠。現に指揮官の緊張感を吹き飛ばすように、選手たちは伸び伸びとプレーし、結果は五回コールド。ジャイアントキリングを狙う相手を沈黙させた。
最後の最後まで相手の隙を追求
三回無死二塁からセーフティーバントを決める旭川実業の藤本主将
1年生投手に対しても油断することはなく、相手の嫌がるような野球を貫いた。2点リードの三回無死二塁。小技の精度が高い藤本に、ベンチはセーフティーバントのサインを送った。考えられるセオリーは三塁線へのバントだが、藤本は最後の最後まで相手の隙を探した。「守備位置を見ながら」選んだのは投手と一塁手の間へのプッシュバント。高度な技術が必要なバントを難なく成功させた内野安打で、好機を拡大。旭川東の後藤優弥投手(1年)のリズムを崩し、この回3得点を挙げた。「左ピッチャーというのもあって、ファーストも捕りに行くので、ベースカバーは遅れるかなと。自分は足も持ち味なので」。してやったりの攻撃だった。四回には中前適時打もマークし、この日は4打数3安打1打点2盗塁と、打線の潤滑油としてこれ以上ない働きを見せた。
後半の集中力がこの夏の課題
この試合同様、初戦の旭川工業戦も12-3の七回コールドで勝利するなど、支部予選では圧倒的な強さを見せた。そんな旭川実業が見据えるのは、北大会を制することのみ。準優勝を果たした春季全道大会。北海との決勝では五回まで4-0とリードしていたが、終盤に逆転を許し、あと一歩のところで頂点を逃した。最後まで集中力を持って戦い抜くことが、この夏の課題だと藤本はみている。「後半の集中力だったり、得点できないというのが一番大きな課題だったので、そこに重きを置いて練習してきた」。この日は五回の守備で2死満塁のピンチを招いたが、大量リードにも気持ちを緩めることなく、無失点で試合を締めた。
来たる北大会に向けて、チームの雰囲気は上々だ。その北大会の話に及ぶと、キャプテンの表情はグッと引き締まった。「引き続き、持ち味を磨いていく。北北海道大会のすごいピッチャーからもきょうみたいな得点をできるようにしていく」。2週間後、甲子園に向けた戦いが本格化する。
北大会進出を決めた旭川実業の藤本主将(左)
【道スポが全部読める! お得な年払いプラン】