旭川実業が完封リレーで初戦突破 藤本主将が示す堅実野球【春季全道大会】
併殺を処理する旭川実業の藤本主将=撮影・西川薫
■春季全道高校野球(5月26日、札幌円山)
▽1回戦 旭川実業5-0札幌光星

投打ガッチリ 継投で0封勝ち
旭川実業が3投手による完封リレーを完成させ、札幌光星に快勝した。一回、4番の近藤唯人内野手(3年)の中前適時打で幸先良く先制すると、五回には一挙4得点を挙げて試合を優位に進めた。投げても先発・馬場太智投手(3年)が5回無失点、2番手・山田新大投手(3年)が3回無失点とつなぎ、最後は抑えとして登板したエースの西村颯汰投手(3年)が、1回無失点で試合を締めくくった。堅実な試合運びを支えているのが藤本琉生(るい)主将(3年)。状況に応じた的確なプレーで攻守の潤滑油となっている。
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8強入りした旭川実業ナイン
効果的なスパイスを加えた―。1点リードの五回、山本竜聖内野手(3年)の2点二塁打、岡来翔(らいと)外野手(3年)の左犠飛で3点を追加した。なおも1死二塁とイケイケムードの中で打席に入った藤本は初球にセーフティーバントを敢行。三塁線へ絶妙なバントを転がすと、相手の悪送球を誘い、二走が一気に生還した。2年連続の初戦突破を決めた藤本は「一番は勝てたことが良かったと思います」と安堵の表情を見せながらも「内容的にはまだまだなところがあるので、次は修正して、自分たちの野球にしたいです」と気を引き締めた。
「相手の嫌がる野球をすることが一番」
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この日は敵失による出塁も含めて3出塁と、2番打者として攻撃の流れを生み出した。旭川支部決勝の旭川龍谷戦では適時打含む2安打2四球の4出塁を記録したいぶし銀は、全道の舞台でも変わらない〝嫌らしさ〟を発揮した。「相手の嫌がる野球をすることが一番だと思うので、相手のポジションを見たり、今の状況で何が必要なのか、というのを考えて打席に入っています」と状況を俯瞰することで、確率の高いプレーにつなげている。岡本大輔監督(52)は今のチームを「ガンガンいくチームではない。何とかつないでいくチーム」と話すが、藤本はまさにその粘っこさを体現している。
指揮官も信頼「作戦の意図を感じ取ってくれる」
二塁手を務める守備でも確認を怠ることはない。一球一球の声かけはもちろん、コミュニケーションは遊撃だけにとどまらない。「外野手だったり、サード、ファースト、ピッチャーにも」と360度に渡って状況確認を徹底。岡本も「チームがいい方向に行くように考えてくれる。どうやったら相手が嫌がるかとか、作戦の意図を感じ取ってくれる」と信頼を置く。
派手さなくとも渋い〝いぶし銀〟背番号4
目標はもちろん、全道の頂点だ。「自分たちの野球ができて、結果的に勝っているのが理想。結果的に勝って、結果的に優勝したという大会にしたい」と、まずは自分たちの野球をすることを重要視する。この日は「後半は淡泊な終わり方が多かった」と反省の弁。派手さのない堅実な野球を支えているのは、紛れもなく背番号4だ。
