旭川実業が完封リレーで初V王手 2番手・馬場がWBC周東ばり好走塁【春季全道大会】

■春季全道高校野球(5月31日、札幌円山)
▽準決勝 旭川実業4-0知内
3季通じて公式戦初対決
27年ぶりに4強入りした公立・知内と、同19年ぶりの旭川実業。3季通じて公式戦での初対戦は、旭川実業が4-0で知内との投手戦を制して、初優勝に王手をかけた。0-0で迎えた七回1死二、三塁で、四回から2番手で登板した、馬場太智投手(3年)が値千金の先制タイムリー。さらに1死満塁から後続の適時打で、二塁から一気に本塁へ生還。投げても4回被安打1、無失点で4投手の完封リレーに貢献した。6月1日の決勝で、昨春の準々決勝で敗れた、北海と対戦する。
三走の岡外野手のすぐ後ろを追走
まるで2023年WBCメキシコ戦で、大谷翔平を追い抜かんばかりに一塁から長駆生還した周東佑京(29、ソフトバンク)の走塁のようだった。自らのバットで先制した直後の1死満塁で、1番山本竜聖三塁手(3年)の中堅手と遊撃手の間に落ちる打球に好スタートを切ると、三走の岡来翔外野手(3年)のすぐ後ろを追走し、3点目の生還を果たした。
「札幌に来る前に、旭川でもずっと走塁の練習を全員でしていた。ああいう打球でのミスが支部でもあったので、絶対ミスがないようにと、リードを取る前にしっかり外野の位置を確認していた」

岡本監督の指示「高め一本に絞って」
六回までは知内のエース・田澤慶明投手(3年)を打ちあぐねていた。三回まで無安打。四回以降、毎回安打で得点圏まで走者を進めたが、決定打が出なかった。七回に入る前、岡本大輔監督(52)は「低めでストライクを取られたらごめんなさいだから、思い切って高め一本だけに張っておこう」と指示。1死から、丸谷一颯捕手(3年)から馬場への3連打につながった。
さらにこの回の3得点には、馬場のほかにも、記録に残らない足技が光った。丸谷を一塁に置いて岡の右前打には、ランエンドヒットのサインで、丸谷は一気に三塁へ。送球間に、岡も二塁へ進塁。馬場の先制打をお膳立てした。