高校野球
旭川実業 4番・近藤唯人の公式戦初本塁打で19年ぶりベスト4【春季全道大会】

■春季全道高校野球(5月29日、札幌円山)
▽準々決勝 札幌大谷4-7旭川実業
リード広げる2点弾
4番弾で4強入り! 旭川実業が13安打7得点で札幌大谷に勝利した。5-2の六回、「4番・一塁」で先発した近藤唯人内野手(3年)の公式戦初本塁打となる右翼スタンドへの2ランでリードを広げると、先発・馬場太智投手(3年)からの3投手による継投で逃げ切った。旭川実業は準優勝を果たした2006年以来19年ぶりのベスト4。4番の状態も上向いてきただけに、同年以来の決勝進出へ視界は良好だ。
新緑の円山に、大きな放物線を描いた。六回1死二塁。打席の近藤は右から左に体重を乗せるいつものルーティンを行い、投球を待ち構えた。その初球、札幌大谷の岩渕英晃投手(3年)が投じた内角高めの直球に鋭い軸回転で反応。「入ったと思いました」との言葉通り、高く舞い上がった白球はそのまま右翼フェンスを越えた。岡本大輔監督(52)も「予想していなかった」と目を丸くした本塁打で、勝利をたぐり寄せた。晴天に恵まれた円山のダイヤモンドを一周し「気持ちよかったです」と公式戦初アーチの余韻に浸った。

一回には同点適時打
先制されて迎えた一回の第1打席も無死満塁から同点適時打を記録。1回戦の札幌光星戦でも一回に先制適時打を放っており、勝負強さが目立っている。近藤自身も「1、2、3番が塁に出てくれるので、とにかく返すことを意識してます」と得点圏での打撃を最重要視。ただ、ここ最近で一番状態が良かったこともあり、六回の打席は「狙ってみようかなと思ってました」と言ってのけた。札幌大谷には5月5日の練習試合で4-6と敗れていたが、近藤は岩渕から右中間への二塁打を放っていただけに、相性の良さも生かした一発となった。