宮大樹 新天地デビューへ「必要なのは勝利の2文字だけ。そこに貢献する姿を見せたい」
札幌でのデビュー戦を待ちわびるDF宮。持ち前の統率力でディフェンス陣を束ねる=撮影・宮西雄太郎
■6月14日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は14日、札幌市内で翌日に控える第19節・今治戦(14時開始、プレド)へ向けて調整した。6月上旬の特別登録期間中に加入したDF宮大樹(29)は、新天地デビューへ「勝ちに徹するのみです」と気合十分。優れた統率力を持つDF陣の新たなリーダーが、2週間ぶりのリーグ戦でクラブの白星に貢献する。
「あまり考えすぎず良い状態で臨みたい」
全体練習を終えた宮は、ステップワークとショートスプリントを繰り返し、試合前日の最終調整を行った。余計な力みや緊張感はなく「あしたドームに入ったら高揚感は自然と湧き出てくる。あまり考えすぎず良い状態でゲームに臨みたい」と、いつもと変わらぬ穏やかな口調で決意を言葉に乗せた。

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名古屋から移籍し、合流してから約10日間をチームメートと共に過ごした。ピッチの上で感じる札幌の空気は肌に合い「十分やれると思っています。逆にやれないと、僕がここに来た意味がない。チームを勝利に導ける活躍がしたい」と連係への手応えも上々だ。
豊富な経験とリーダシップ 監督が期待することは…
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J1通算125試合出場と豊富な経験を持つ宮は、これまでの札幌に足りなかったものを持ち込んでくれた。フィールドでは人一倍大きな声を張り上げ、秀でたコーチング能力を発揮する。「札幌は明るい選手が多く、ベテランも若手も年齢差を感じることなく接している。雰囲気はすごく良いと思いますが、その中に時々、厳しい声を織り交ぜながら勝つ集団を作り上げないといけないと思っています」。細部にこだわる男の姿勢が、クラブに新風を吹き込んでいる。
長身を生かした空中戦の強さや正確なフィードを武器とする背番号55に、指揮官は大きな期待を寄せる。岩政監督は「彼とは何度も対戦して良い選手だと分かっている。高さ、リーダーシップ、声や統率力、ゴール前の際の部分で守り切れる。うちに足りないところを補ってもらいたい」と賛辞の言葉を並べ、活躍を切望した。
リーグ戦再開を待つ岩政監督。新戦力に寄せる期待は大きい。
大学時代の旧友との対戦を心待ち
札幌でのデビュー戦には、密かな楽しみがある。今治のDF加藤徹也は、びわこスポーツ成蹊大の同級生で「彼はJFLからステップアップしてきた。頑張っているなと思いながら、僕も頑張ろうと考えてきた」と、旧友との対戦を心待ちにする。
さまざまな思いが去来する一戦。何よりも欲しいのは勝ち点3だ。「自分のプレーやチームの内容が良いに越したことはないけど、それよりも今、必要なのは勝利の2文字だけ。そこに貢献する姿を見せたい」。強い覚悟が、その体を突き動かす。
