宮大樹 紅白戦で示した統率力「サッカーは声を出してナンボ。黙っていると意思が伝わらない」
新天地での初実戦に臨んだDF宮が大きな声で仲間たちを鼓舞する=撮影・宮西雄太郎
■6月8日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌のDF宮大樹(29)が8日、札幌市内で行われた紅白戦(45分×2本)に左CBで出場し、約70分間プレーした。新天地での初実戦を終え「自分の特長をみんなに分かってもらうのとチームメートの特長を理解する部分で、非常に有意義な90分間でした」と充実の表情。リーグ12位のクラブは、心強い新戦力と共に巻き返しを図る。
左CBで約70分プレー 要所で的確な指示
DF陣のリーダーとなり得る男が、ピッチ上で大きな声を張り上げた。186センチの長身を生かした空中戦の強さと正確なフィードを武器とする背番号55は、要所で的確な指示を飛ばし最終ラインを統率した。
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「サッカーは声を出してナンボ。黙ってやっていると意思が伝わらないし、相手に気迫も与えられない。誰が声を出してもいい。僕が率先してもいいし、乗っかる形でもいい。前向きな姿勢や叱咤激励する声が必要だと思っている。きょうのゲームでは、そこを意識していました」
3バック、4バックどちらでも
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名古屋では3バックの一角としてプレーしてきたが、4バックもお手の物だ。J1通算125試合出場と豊富な経験を持つ宮は「普段は3枚でやり慣れていたのでディフェンスラインの距離感は多少ズレがあるけど、4枚もやったことがあるので全然問題ない」と頼もしい。リーグワースト3位の29失点を喫している札幌に、落ち着きと安定感をもたらすつもりだ。
「一人一人の意識で変えていける」
この日は得点の起点となる縦パスを繰り出すなど、随所でストロングポイントを発揮した。J1を舞台に輝き続けた左足は、札幌のクオリティー向上を予感させる。ゲームを通して新たな課題も見つけた宮は「最後の部分と、そこに至るまでの質ですね。J1からここに来ると多少感じるものがあるけど、それは一人一人の意識で変えていける。みんな絶対に技術はあるので意識の問題。それができればチャンスの数は増えるし、カウンターを打たれるシーンも少なくなると感じました」と、チーム力向上のキーポイントを説明した。
新天地でのデビュー戦を待ちわびる宮は、15日の第19節・今治戦(プレド)に照準を定めている。「出られるか分からないけど、目の前の試合に出てチームに勝利をもたらすことが選手の役割、使命。常々、普段の練習に取り組む姿勢が試合のピッチで出ると思っている。来週1週間も一日、一日を無駄にすることなく今治戦へ向けて準備したい」。プロフェッショナルを貫く男が、クラブに新風を吹き込んでいる。
