《山形戦後》このチームが成長するために必要な勝ち方
【道新スポーツ全部読める 2千円お得な年払い】
■J2第13節 山形0-1札幌(5月3日、NDソフトスタジアム山形)
―試合を振り返って
「ゴールデンウイーク中の試合で、このアウェーまで600人という多くの方々が来てくれたと聞いています。熱く選手たちをサポートしてくださって、きょうは勝利で少しお返しすることができてうれしい。戦い自体は非常に苦しい試合。苦しい試合展開の中、1-0で勝ちきることは、このチームが成長するために必要な勝ち方だと思っていた。今後につながる勝利です」
【完封勝利に貢献した家泉怜依 準備してきた守備戦術で「相手はロングボールぐらいしか…」】
―バカヨコが先制点を挙げた
「プレスがよく効いて、自分たちがボールを奪ったところからの得点。前半から何度かありましたが、きょうはよくボールを奪い切れていた。それがゴールにつながった。先制点を取るということは、イコール先制点を取らせないということでもある。そういう意味では前半に取らせなかったことが大きい。それ(先制点)をFWの選手が決めてくれたことも、良い1-0の勝ち方だったと思います」
【バカヨコが決勝弾! 補強方針に発奮「ゴールが足りないのはリアリティ(現実)」】
―危険なシーンは多かったがDF陣が食い止めた
「良くなっています。最初の4連敗を除けば、そんなに多くの失点をしているわけではない。僕はまだ減らしたいと思っていますが、よく戦っている。DF陣は経験が足りないかもしれませんが、どんどん成長している。彼らの良さが出てきている。その上で、自信を付けるためにも結果が大事。必要な勝利を得ることで、DFの選手は伸びていく。結果も良かったと思います。ただ、まだまだ改善点はたくさんある。判断のところで求めたいこともある。満足していると彼らには伝えませんが、良くなっていると思います」
【石水社長 サポーターミーティングで〝クラブフィロソフィー〟発表 今夏の補強策も明言】
―前半途中にポジションを入れ替えた
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
「しっくりこなかったので変えました。いろいろな狙いがあって、それを選手たちが見事に見せてくれた。彼らの修正力、適応力によって勝った試合です」
―ハーフタイムの指示は
「まずは風が変わること。風下(の前半に)で、0-0で帰ってきた。風が変わることでやりやすくなること、相手が風下になることでやりにくくなることを共有しました。得点シーンも、自分たちのビルドアップも、後半は良くなった。立ち位置を変えたことによるやりやすさも、風上になることで、よりやりやすくなった。狙いを共有したことで、後半はかなり良い戦いができた」
―連戦で勝ち点4が積み上がった
「十分とは思っていません。僕らは出遅れているので。連戦で我々は大宮、長崎、山形、次はジュビロ。強烈な相手が続いている。このチームに対して、どれだけできるかは選手たちにとって試金石。結果うんぬんよりも、自分たちの狙いを出せる時間が増えていることは評価したい。加えて、勝ち点3を取り切る試合が増えれば選手は自信を付ける。僕はシーズンを3分割で考えている。きょうが13試合目で、中盤戦に入ったと選手たちに共有した。監督が変わったチームは序盤、チームづくりから入る。いろいろなエクスキューズがあるけど、中盤戦はエクスキューズがない。勝ちきるか、勝ちきれないか、しかないので。そこ(結果)にフォーカスしようという話をしている。きょう一発目に勝ちきって、この中盤戦でどれだけ勝ち点を拾えるか。それだけに注力して戦い、終盤戦で一気に捲れる状況まで持っていきたい」
―徐々にチームの安定感が出てきた。どんな狙いを持ってチームをつくり上げているか
「一番大きなところは僕自身が焦らないこと。周りはたくさん騒ぎましたが、僕自身は焦らず選手たちと、何が問題で、それをどういう時間軸で解決するかを冷静に分析して、話をしながら積み上げた。4連敗からスタートして選手たちは難しい状況でしたが、徐々に改善してきている。勝ったり負けたりを繰り返して、周りは当然騒ぎますが一喜一憂せず、まずい点を分析して伝えるの繰り返し、積み重ねです。ディテールの部分は、すぐには良くならない。7年間、選手たちが育ってきた環境を考えると。別の習慣でプレーをしてきた選手たちが1、2カ月で習慣を変えるのは難しい。サッカーはほとんどが習慣です。なぜかというと、プレーは瞬間的に生まれるから。習慣を変えるまでには時間がかかる。徐々に選手が見せてくれるパフォーマンスを分析すれば、改善されていくのは分かっていた。焦らず選手に伝えて、チームは地道な努力をしてきた。まだ全然、届いてない。これからさらに苦しい試合でどう勝ちきるか。十分だとは思っていません」
―山形の土居は鹿島時代からよく知る間柄
「2節前に(大宮の監督を務める)長澤徹さんとの対戦を楽しみにしていたと言ったら、徹さんからはそういうコメントをされなくて、さみしい思いをした。と同時に負けたので、勝負の世界では相手のことを意識しない方が良いと思って、きょうは意識しないようにしていました。彼の特長と山形のやり方は、試合前にメンバーが出たところで、なんとなく分かった。それを共有して、選手たちが(土居)聖真とその周辺をうまく対応してくれた。風の影響もあり、チームのバランスを含めて前半はバタついたところがあった。聖真を完全に封じたとは思ってない。エリア周辺で前を向いたときは怖さを感じたし、きょうはたまたまうちが勝てた。いずれにしても彼は選手時代の後輩で、監督としてもキャプテンを任せた。山形で、もうひと花、ふた花咲かせてほしいと思う選手です。これは札幌の監督ではなく、先輩として思います」
【コンサドーレ最新記事はこちら】
【(株)コンサドーレが過去最高売り上げも赤字決算 ライセンス維持へ石水創社長「きちっと黒字化を」】