ファイターズ
《ハム番24時》1月1日
伊藤の年始インタビューは、帰省のタイミングに合わせて故郷・鹿部町の漁港で行われた。その日の気温は氷点下3度。時折、強風が吹き荒れ、体感温度はもっと低かった。
朝7時から釣りをしていた右腕のもとに、弊社カメラマンと記者が到着したのは10時すぎ。「来たから、魚が逃げちゃう」と心配されたが、決定的瞬間に立ち会うことができた。わずか10分後に、アイナメ(アブラコ)をゲット。竿を巧みに操る姿は、まさに勝負師の顔だった。
そんな伊藤には、優しいお兄ちゃんな一面もある。弟・駿航さんは中学3年生。偉大な兄の背中を追う。「お年玉は毎年あげています。(実家へ)帰ってきた時には、お小遣いをあげたり」と、かわいがっている。
これまで野球の技術面で、弟を褒めることはなかった。今回インタビューをしていると、ちょっとした変化があった。「中3にしてはいいかな。僕よりも球が速いかもしれない。久しぶりに帰ってキャッチボールをやった時に、普通に手が痛くなってびっくりしました。この1年で成長しましたね」
兄としてのプライドか、本人の前で褒めることはないという。照れくさそうに語っていたのが、とても印象的だった。