《平川弘のCool Eye》進路を急ぐ選手の気持ちはよく分かるが、素直に「いってらっしゃい」とは言えない
前線から小柏がいなくなると、攻撃力が半減する
FW小柏の周囲で移籍に向けた動きが騒がしい。DFラインの裏を突くことができる小柏がいなくなると札幌の攻撃力は半減すると言ってもいい。彼が裏に走ることで相手DFラインは下がりアタッキングサードにスペースができていた。それがなくなるとDFはトップの足元に入って来るくさびだけを狙うことが容易になる。来季から札幌に復帰するらしいFW鈴木武蔵が小柏の代わりにDFラインの裏へランニングしてくれるはずだが、周囲との連動、連係に関しては未知数だ。また前線からのチェイシングも小柏の方が運動量は多かったように思う。ただ、小柏は肉離れが多く、シーズン通して働いてくれたことはなかったが…。
ペトロヴィッチ監督に恩返しをしてから移籍してほしい
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個人的には札幌で結果を残し、ペトロヴィッチ監督に恩返しをしてから移籍してほしいと思う。サッカー選手の寿命は短く、一寸先は闇なので何が起こるか分からない。進路を急ぐ選手の気持ちはよく分かる。海外への移籍だったら分かるのだが、小柏の場合、首都のチーム? への移籍なので、ちょっと残念なのだ。対戦相手として戦うようになることを考えると、素直に「いってらっしゃい」とは言えない。
環境が変わると、知らず知らずのうちに無理をする
FC東京はMFアダイウトンもいなくなるので速い選手が必要なのか? あそこのチームは3トップなのでポジションはウイング? 小柏ができないポジションではないが、ワイドに張ってのプレーは彼の良さが半減する。大きなお世話か…。チーム、環境が変わると、まずは自分をアピールしなければならず、知らず知らずのうちに無理をしてしまう。ケガだけには注意して下さい。
W杯優勝を目指すなら欧州に合わせるメリットを取る
Jリーグが2026年から秋春制になるらしい。この議案は以前から議論されてきたが、やっと出口が見えそうだ。積雪地域の札幌にとって秋春制に賛同するのは簡単ではない。実際、クラブとして完全に賛成した訳ではなく「継続審議」に票を投じた。補助金が出て、エアドーム? ができたとしても、人工芝だったら選手の体への負担は大きい。課題は山積しているが、もともとJリーグは代表チームを強くするためにつくったもの。本気でW杯優勝を目指すなら欧州のシーズンに合わせるメリットを取るのは当然だろう。札幌もそこに適応していかないと生き残れない。