ファイターズ
2021/10/28 15:01

稲葉新GM誕生「ルーキーの気持ちで強いF取り戻す」

すがすがしい表情で就任会見に臨んだ稲葉新GMは、「皆さんと共に強いファイターズをつくっていきたい」と所信表明した(撮影・松本奈央)

 強いファイターズを取り戻す―。日本ハムは27日、稲葉篤紀SCO(スポーツ・コミュニティ・オフィサー、49)が同職を兼務し、ゼネラルマネジャー(GM)に就任することを発表した。札幌ドームで行われた就任会見では「道民の皆さんと、全国のファイターズファンの皆さんと共に強いファイターズをつくっていきたい」と所信表明。後任監督に内定している新庄剛志氏(49)と力を合わせ、常勝軍団を築き上げる。

 チームの根幹である「スカウティングと育成」をもう一度見つめ直す。新たに就任することが決まった稲葉GMは「ヤクルト、そしてファイターズと現役生活20年間、侍ジャパンの監督として4年間。この経験と、チームの強化方針であります『スカウティングと育成』、これを融合させて未来に向けて、チームをしっかりとつくり上げていきたい」と意気込みを語った。
 9月末、川村球団社長からGM職の要請を受けた。稲葉GMは「正直、社長の話をあんまり覚えてなくて」と笑い、「GMって言われて。GMなんだ、どういうところなんだ、GMって」と戸惑いからスタートした。しかし、家族とも話し合い、すぐに「絶対、強くしよう、やってやろう!」と前向きな気持ちになった。
 目指すは自身が現役時代の強い日本ハムだ。FAで加入した2005年から引退する14年までの10年間で、4度のリーグ優勝、7度のAクラス入りを果たしており、常勝軍団だった。川村球団社長も「野球に対する情熱、知見、眼力、さらにはネットワークを考えると、適任。ぜひとも稲葉氏が在籍していた強いファイターズを復活させていただきたい」と期待を寄せた。
 22年の来季は札幌ドームのラストイヤー。そして23年には新球場「エスコンフィールド北海道」の開業も控えており、立て直しは急務だ。同社長は「新GMにあまり拙速な成果を求めるということは酷ですけれども、われわれは彼を全面的にサポートしながら、ファイターズの新しいステージを迎えたい」
 新GMとしてすぐに動きだす。あす29日に宮崎入りし、30、31日のフェニックス・リーグの2試合を視察する。来月3日の秋季キャンプも初日から第2クールまで参加する予定だ。「しっかりとコミュニケーションを取っていこうと思います」と、選手や首脳陣との対話を重ねながら、チームをより良い方向へ導いていくつもりだ。
 「全国のファンに、心の底からファイターズって強いチームだよね、いいチームだよねって応援されるチームをまた目指していかなければいけない」。強いファイターズを知る稲葉GMが、一から再建を図っていく。

稲葉GMTALK

 ―今の率直な気持ち
 「新しくプロ野球に入った気持ち、ルーキーの気持ちで、まずはこのチームをしっかりと強いチームにしなければいけないと大きな責任感を感じております」
 ―ここ数年の日本ハムをどう見ていた
 「非常に若いチーム、若返っているなというふうには感じていました。この悔しさを来年どう生かすかというのは、非常に大事。来年この最下位(27日現在)から優勝という、本当に難しいことにチャレンジをしていかなければいけない」
 ―着手したいことは
 「もう一度、育成という部分でしっかりと選手とコーチがコミュニケーションを取りながら、選手の考え方、チームの方針、そういうものをしっかりと築き上げていくということを、ここ1、2年でしっかりとやっていかなくてはいけない」

稲葉 篤紀 (いなば・あつのり) 1972年8月3日生まれ。愛知県出身。愛知・中京高(現中京大中京高)、法大を経て95年にヤクルトに入団。2005年にFAで日本ハムへ移籍。07年に首位打者のタイトルを獲得し、通算2167安打をマークした。14年に現役引退。17年に日本代表監督に就任し、21年の東京五輪で金メダルを獲得した。

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