冬季スポーツ
2022/10/30 22:55

二階堂蓮 大会初の親子2代制覇でW杯遠征へ弾み NHK杯ジャンプ

優勝した二階堂。1回目に142.5メートルのビッグジャンプを披露

■NHK杯ジャンプ(30日、札幌・大倉山ジャンプ競技場)

 男子は、二階堂蓮(21、日本ビール、下川商高出)が1回目にヒルサイズ(137メートル)越えとなる142.5メートルの大ジャンプを見せ、初優勝を果たした。前日のUHB杯を制した中村直幹(26、フライングラボラトリー)は1回目132メートルで2位に付けたが、2回目に飛距離を伸ばせず3位。女子は伊藤有希(28、土屋ホーム)が、この大会4年ぶりの優勝を手にした。

父・学さん賛辞「失敗が減り、安定してきた」

 父・学さん(56)も優勝したNHK杯を制し、初のW杯遠征に弾みをつけた。29日のUHB杯で2位だった二階堂はこの日の1回目、「(前日の)突っ込みすぎるジャンプを修正してうまく飛べた」と、ヒルサイズ越えでトップに立つと、2回目も122.5メートルにまとめ逃げ切った。

 親子2代でのNHK杯制覇は初。この日は1990年大会で優勝した父も会場で観戦。今季は所属先が決まり練習環境も改善、「失敗の確率が減り、安定してきた。(世界でも)上位を狙う技術を持っている」と息子の成長に目を細めた。

レジェンド葛西もライバル視 今季一躍トップジャンパーに

 10月21日の日本選手権ノーマルヒル(長野・白馬ジャンプ競技場)を初制覇するなど、今季は一気にトップジャンパーの仲間入りを果たした。この日9位だったレジェンド葛西紀明(50、土屋ホーム)も「(小林)陵侑、中村(直幹)、(二階堂)蓮を抜いたら、(W杯メンバーが)見えてくる」と〝ライバル〟として名指しした。

 ただW杯前の戦いを終え課題も見えてきた。2回目のジャンプはスタートゲートが下げられたこともあり不本意なジャンプ。「低いゲート、シビアな条件であっても最低でもK点を越えるジャンプができたらもっと良くなる」と分析。初のW杯出場、そして表彰台に向け、気を引き締め直した。


女子は伊藤有希が4年ぶりV「手応え感じている」

 試技での負傷で高梨欠場の中、伊藤が貫禄飛行。スタートゲートを2段階下げての1回目に124メートルでトップに立つと、2回目もこの日の女子で最長となる138.5メートルを飛び、完勝した。今夏は海外のサマーグランプリを転戦せずに国内で過ごした。「計画通りトレーニングができた。手応えを感じている」と、例年とは違う調整の成果を早速出した。今季の世界選手権では、女子初のフライングヒルが実施される。「夢だった。チャンスをものにしたい」と憧れのジャンプ台を目指す。


高梨沙羅が左足首負傷で欠場 W杯初戦は予定通り出場予定

 前日のUHB杯で優勝するなど、国内3連勝中だった高梨沙羅(26、クラレ)は、試技の着地で左足首を痛め、欠場。W杯に向けて大事を取ったもので、病院にも行かなかった。11月5日にポーランドで開幕するW杯の初戦には、予定通り出場する見込みで、2日に出発する。

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