ミラノ・コルティナ五輪ジャンプ男子トレーナーに〝黄金世代〟の和田全功さん
ジャンプ男子日本代表のトレーナーとしてミラノ・コルティナ五輪に帯同する和田さん=撮影・西川薫
元選手で小林陵侑、高梨沙羅と同い年
イタリアで行われる4年に一度の祭典、ミラノ・コルティナ五輪が2月6日に開幕する。ノルディックスキー・ジャンプ男子日本代表のトレーナーとして、元ジャンプ選手で札幌市内のパーソナルジム「S-Body」で鍼灸師兼トレーナーとして働く和田全功さん(29)が帯同する。小林陵侑や高梨沙羅と同い年で、学生時代は切磋琢磨した間柄。選手としては出場がかなわなかった舞台で、日本代表のメダル獲得を縁の下から支える。
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18日まで札幌・大倉山ジャンプ競技場で行われたジャンプ男子W杯札幌大会。開幕からチームに帯同してきて、いよいよ本番が迫る。「五輪の重みは感じます、自分も立ちたかった舞台だし。だけど僕は仕事として向かうオリンピックなので、とにかく選手のサポートを。いかに平常心で臨めるか、僕が平常心じゃないといけない」。試合中は飛び終えた選手の荷物や上着などを運んだり、側面からサポートした。
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「気付いたらみんなすごくなっていた」
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1996年生まれで、令和のジャンプ界黄金世代。小林、高梨のほかにも、中村直幹(29)、勢藤優花(28)、岩佐明香(29)ら、そうそうたるメンバーが名を連ねる。小学校低学年から大会では顔見知り。「自分で言うのもあれですけど、僕は結構良かった方(笑)。高梨沙羅と1個下の伊藤将充と3人で対決してたって感じ。そもそも中村直幹は始めるのが遅かったし、小林陵侑はそのちょっと下ぐらいにいた感じだし、勢藤優花は世界で表彰台乗ったりとかって、想像がつかないぐらいのイメージだった。気付いたらみんなすごくなっていた」。気づけば、ジャンプではライバルたちに先を行かれた。
ジャンプ男子日本代表の中村直幹(前列左端)、小林陵侑(同左から3人目)と同い年の和田トレーナー(同右端)
小学生時代すでに芽生えた将来の夢
自らは現役時代の経験からトレーナーを志した。「小学生の頃からけがしがちだった。小学校で初めてジャンプ台の坂を滑り降りる時に、転んで左足を骨折してるんですよ。けがするたびにジャンプができない時間があって、そういう時にトレーナーさんに接する機会があった。小学生ながら、『ジャンプをやめたらこれがしたい』と思って」と将来の夢が漠然と頭に浮かんだ。八つ離れた兄や周囲からのアドバイスも背中を押して、元選手で日本代表にも帯同したアスリート治療院の竹花智さん(62)に弟子入り。22年3月に鍼灸師の国家資格を取得。雪印メグミルクジャンプチームのトレーナーも務める。
友人でもあり、選手に距離が近いだけに、トレーナーとして近づきすぎないように気をつける。「もちろん成績が出てなかったらやっぱり気持ちも落ち込むし、そういう時こそフラットに接することができるのは僕の強みなのかな。ケアの時間には、自然体でいてほしいから、そういう時は友達に戻る。選手自身は割と気は許してくれやすいかな」。元選手だけに技術的なアドバイスを求められることもあるが、コーチとの役割のすみ分けを自覚し極力控える。
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4年に一度の大舞台。選手が檜舞台で持てる力を全て出し切れるように、全力を尽くす。「オリンピックって僕が感じるのは、選手の競技が終わった後。その時に、初めて僕はオリンピックの舞台に立っている実感をするんだろうな、って」。チームジャパンの一員として、和田トレーナーの戦いもいよいよ本番を迎える。
■プロフィル 和田 全功(わだ・ともかつ) 1996年6月25日、余市町生まれ。兄・圭充さんの影響で、余市黒川小1年から余市ジャンプ少年団で競技を始める。余市紅志高3年時にインターハイ2位。家族は両親と姉、兄。