「後退していたら出禁で」清宮が〝前進〟杉谷の魂受け継ぐ先制2ラン

■みやざきフェニックス・リーグ 日本ハム11-8西武(29日、都城)
杉谷に贈る惜別弾! 日本ハムの清宮幸太郎内野手(23)が29日、西武戦に「4番・一塁」で先発し、一回に左越え先制2ランを放った。28日に引退を表明した杉谷拳士内野手(31)とは、合同で自主トレを行うなど公私で仲が深い。野球を楽しみ、周囲を笑顔にしてきた先輩の姿を手本にし、思いを継承していくことを誓った。
LINEでメッセージ「幸太郎は幸太郎らしくやれよ」
杉谷から、ずっと伝えられてきた言葉がある。「幸太郎は幸太郎らしくやれよ」。引退発表前に届いたLINEにも書かれていたメッセージを胸に、清宮は試合に臨んだ。一回2死二塁で迎えた第1打席。外角直球を振り抜くと、打球は左翼芝生席へ吸い込まれた。
「拳士さんも(前監督の)栗山さんに『拳士らしくやれよ』って言われていた。それを僕に重ねて言ってくれているのかなっていつも思っていた。拳士さんに言われたことは、忘れないなって思います」
沖縄・伊江島で合同自主トレを行うなど、入団時から常に目をかけてもらってきた。来季は一緒に優勝を目指すつもりだった。突然の知らせに、「引退っていう言葉が全然似合わない人。最初に聞いた時は、すごい寂しかった」と本音をこぼした。
今後の共闘に期待「杉谷パワーなくして、ファイターズはない」
選手同士ではなくなるが、関係はこれからも続いていく。杉谷は28日、引退という言葉を使わず、「前進会見」と表現した。清宮は「後退していたら(チーム)出禁で」と冗談めかしつつ、「でも本当にまた、たくさん顔を出してほしいです。杉谷パワーなくして、ファイターズはないと思うので、力を貸してほしいです」と今後の共闘に期待した。
どんな時も明るくチームを盛り上げてきた先輩の姿は、目に焼き付いている。「しょげた顔をしていたり、落ち込んでいたりしたら、拳士さんに何か言われそう。僕は明るく楽しく野球をやるのが取りえ。そこは忘れずにやりたい」。野球が好きな気持ちを全力で表現する杉谷の〝魂〟を、しっかりと受け継いでいく。