ファイターズ
2022/09/17 00:00

清宮16号勝ち越し3ラン「打った瞬間、いったかなと思いました」 ビッグボス指令まであと「1」

五回表、2死一、二塁、勝ち越し3ランを放った清宮

■日本ハム6-3オリックス(16日、京セラドーム)

 手に残る感触でスタンドインを確信した。清宮幸太郎内野手(23)が会心の一振りで試合を決めた。同点の五回2死一、二塁。オリックス2番手・村西の直球を完璧に捉え、右翼席へ放り込んだ。勝ち越しの第16号3ラン。「打った瞬間、いったかなと思いました」。ベンチに戻り、抑えていた喜びの感情を開放した。

スランプ乗り越え「ちゃんと自分と向き合えている」

 相手バッテリーが高めに外そうとした直球が、やや甘く入ってきた。これを逃さなかった。13日のロッテ戦(ZOZOマリン)で2発5打点をマークしていたが、3試合ぶりの本塁打が決勝弾。スランプに苦しむ時期もあったが「ちゃんと自分と向き合えているかなと思います。ささいなこととか、しっかり継続できているからかな」と、今は充実した日々を送る。

 新庄監督はいい意味で予想を裏切られているそう。「なんか起きますよね、彼の場合。なんか起きて活躍する。ダメで、こっちが(スタメンを)外そうとしたら打ってくれる」。そんな意外性を引き合いに出し「(清宮が発奮するような)トラブルを俺が考えて、つくっていけば活躍する―。なかなか難しい選手ですよ」と冗談を交え、働きを評価した。

自身の経験踏まえて指揮官がノルマ「17本を目指しなさい」

 約1カ月前、本塁打を2桁に乗せ、キャリアハイを更新していた清宮に対して「17本を目指しなさい」と目安を伝えた。中途半端にも見える数字は、阪神でプレーしていた現役時代、契約更改の席上で球団幹部に言われた言葉を引用していた。「タイガース時代に17本打ってもらいたいと言われたんですよ。詳しいことは聞いてないけど、それがすごい頭に残っていて。その年に俺、たぶん17本でした。バーッと(年俸が)上がった気がするんです」

 ビッグボスの真意までは伝わっていないが、清宮は「いっぱい打てればいい。打てるだけ打ちたいです」と気迫を込めた。チームは断トツの最下位だが、関係ない。プロ5年目の大器にとっては、残り半月あまりが確かな成長の証しを示す大切な時間になる。

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