ポンセがノーヒットノーラン達成!! 球団27年ぶり&プロ野球史上87人目の快挙

■日本ハム2ー0ソフトバンク(27日、札幌ドーム)
日本ハムのコディ・ポンセ投手(28)が27日、札幌ドームで行われたソフトバンク戦に先発し、プロ野球史上87人目(98度目)のノーヒットノーランを達成した。150キロ超の直球は力強く、変化球のキレも抜群で、2四死球を与えながらも強力打線を無安打無得点に封じた。球団としては1995年の西崎幸広以来27年ぶり6人目の快挙。チームは2―0で快勝し、連敗は「8」で止まった。
札幌ドーム初登板で大記録「非常にうれしい」
待ちに待った本拠地・札幌ドームでの初登板。ポンセが〝支配者〟と化した。九回、マウンドに向かう助っ人右腕に、球場中から拍手が送られた。一球一球に視線が注がれる中、1死一塁から今宮を遊ゴロ併殺打に仕留めると、両拳で大きくガッツポーズをしながら咆哮(ほうこう)した。
首位を走るソフトバンク打線に「H」ランプを一度もともさせなかった。走者を許したのは2四死球のみで、球団史上6人目、外国人投手では初となる快挙。ヒーローインタビューでは「この歴史が詰まっている素晴らしいスタジアムで偉業が成し遂げられたのを非常にうれしく思う」と喜びを表現した。
バックの好守に感謝「ありがとうと言いたい」
試合後は「良かったところ? ユウダイ(古川裕)」と女房役を絶賛。さらに好守でもり立てた仲間に感謝した。「万波選手であったり、中島選手であったり。あの素晴らしいプレーを目撃して(無安打無得点を)できるかもしれないという気持ちになったので、本人たちには、ありがとうと言いたいです」
両親の存在が、いつもポンセを支えている。父・ジョーさんからは料理の仕方も教えてもらい、今では自他ともに認める「自炊男子」となった。2017年に脳腫瘍で亡くなった母・ジェニファーさんからは、たくさんの愛情を注いでもらった。
亡き母に捧げる特別な1勝「ボールもグラブもすべて渡したい」
この日の試合でも、ジョーさんがよく口にしていた「やり続ける」という言葉を頭の中で繰り返しながらプレーしていた。試合終盤には「『お母さん、頼むよ』って。結果的にお母さんに助けてもらいながら、ノーヒットにできた」。人生初の無安打無得点投球を振り返り、「ボールもグラブもユニホームもすべてお母さんに渡したいです」と柔和な表情を見せた。
すっかり生活にもなじみ日本は大のお気に入りとなった。札幌はもちろん、遠征先でも毎日カメラを片手に散歩をする。
7月中旬の静岡遠征で「買い物に行こうとした途中で、いい感じのコーヒーショップがあったので、そこの店主にお願いして外観を撮らせてもらった」。札幌でも「男の人がベンチに座って新聞を読んでいた。その人にも聞いて写真を撮らせてもらった。いい写真が撮れた」と満足げな表情を浮かべた。
連敗を「8」で止めた。「この後も電車で帰る予定なので、もみくちゃにならないようにしたいと思います」。最大の立役者となった助っ人右腕は、いつものように屈託なく笑い、帰路に就いた。