アマスポーツ
2021/09/23 00:08

≪高校ラグビー≫湧別36年ぶり全道1勝 小堀監督男泣き

湧別のナンバー8・工藤が後半9分30秒に2トライ(撮影・西川薫)

■全道高校ラグビー南・北選手権第1日 (22日、北斗市運動公園フットボール場)

 南北1回戦8試合が行われ、北大会では5年ぶりに出場してきた湧別が40―0で中標津に勝利。1985年(昭和60年)以来、36年ぶりに全道1勝を挙げた。前半6分にナンバー8の工藤汐夢叶(しゅの)主将(3年)が先制のトライを挙げるなどハットトリックの大活躍を見せた。北見北斗の選手として花園出場の経験がある小堀大輔監督(36)の指導の下、実を結んだ。

 大きな大きな復活だ。花園8度出場の強豪相手に完封勝ち。湧別フィフティーンは「ヨッシャー」と雄たけびを上げた。監督歴6年目の小堀監督は全道初勝利に「感極まってしまって」と男泣きした。
 快進撃の中心はナンバー8の工藤だ。中央付近から何度も相手守備陣を突破。178センチ、69キロと細身だが「止まってプレーしちゃうと体重負けするので」と、自分から相手に向かっていって体を当てにいき、3トライをマーク。「すごくうれしいです」と笑みを浮かべた。
 さらにバスケットボール部を引退した松野斐比希(ひびき、3年)が自ら入部を希望。「ルールもよくわからない。持ったらゴールに向かっていくだけだった」。たった2カ月の練習で、全道でも1トライを奪うまでに成長した。
 1953年学校創立と同時に創部。現在、生徒数は128人で、ラグビー部は2、3年生で19人。全員が高校から競技を始めた。同校で監督キャリアをスタートさせた指揮官だったが、赴任当時の部員は10人。「廃部になるんじゃないかと言われていた」と振り返る。小堀監督が校長に直談判して積極的な部員募集を始めた。地域あげての協力態勢が実を結び、年々少しずつ部員が集まるようになっていった。
 4強進出は同校の過去最高タイ。工藤主将は「歴史をつくりたい」ときっぱり。まだまだ勝ち進む。選手たちは無欲で次戦に挑む。(西川薫)

 ■北見北斗はラストプレーで小久保が劇的逆転トライ

 ○…劇的な逆転勝利で2年ぶりに準決勝に駒を進めた。0―3で迎えた後半ロスタイム。ラストプレーで、最後は相手ゴールライン前の密集からプロップ小久保知樹(2年)が値千金のトライ。「時間もない中で必死で、決まったときには何も考えられなかった」と目は真っ赤。次戦は支部予選決勝で0―31で敗れた遠軽。小久保は「勝ちます」。昨年、コロナの影響で出場辞退した先輩の思いと共に戦う。

あわせて読みたい