直球勝負で6回0封 池田が二塁踏ませぬ快投で今季初勝利

■日本ハム2-0ソフトバンク(10日、ペイペイドーム)
首位ソフトバンクに3連勝
日本ハムは10日、敵地でソフトバンクと対戦し、2―0で快勝。今季2度目の4連勝&3度目のカード3連勝を飾った。先発登板した池田隆英投手(27)が二塁を踏ませず6回無失点と好投すると、リリーフ陣も得点を与えずに完封リレーを披露した。
悔しい2軍暮らしからはい上がる
ようやく回ってきたチャンスで、一発〝快投〟だ。今季初先発した池田が6回3安打無失点と躍動し、シーズン1勝目を手にした。
「2軍で悔しい時期があったので、何とか勝ちたいなと思ってマウンドに上がった。合流初日(8日)にボスから『(相手が)嫌なピッチングをしろ』と言われたので、それができて良かったです」。
序盤から飛ばし150キロ超え連発
序盤から、力強い直球で押しまくった。2軍で140キロ台後半が主だった直球最速は、この日152キロを計測し、150キロ超えを連発。一回、無死一塁で今宮の犠打を投ゴロ併殺に仕留めて流れに乗ると、降板するまで二塁すら踏ませなかった。制球も冴え、四死球はゼロ。「(四球が)なかったですか? 奇跡ですね」と笑顔がはじけた。
相手先発は、創価大の3学年先輩で尊敬する石川だった。投げ合いに競り勝ち「うれしいですけど、自主トレにも参加させてもらったので、成長した姿を見せられたのが一番」と感謝の思いを口にした。
開幕3戦目のソフトバンク戦に中継ぎで登板するも、その後は2軍暮らしが続いた。5月上旬には右脇腹を痛めて離脱するなど、苦しい日々だったが、前向きに課題と向き合ってきた。
伊藤2軍育成コーディネーター兼投手コーチにヒントをもらいながら、球速や球の強さの向上を目指した。以前は正面と真後ろからの投球映像しか見てこなかったが、新たに横からもチェック。好調だった昨季の自分や上沢、伊藤ら好投手と比較し、尻の位置の違いなどに気付いてフォームを修正した。3日の2軍戦登板後には「形になってきた」と手応えをつかんでいた。
自らを鼓舞するため、欲しい物も我慢した。普段は日本酒派の右腕だが、「高いお酒を飲んでみたくて」と希少性が高く定価でも2万円近い厚岸のウイスキーに目をつけていた。それでも「今は我慢して頑張る。1軍で勝てたら、買って飲みます」と2軍では飲まなかった。昨年6月12日のDeNA戦以来、約1年1カ月ぶりに1軍で勝利を挙げ、やっと解禁だ。
ローテーション返り咲きに前進
チームを4連勝に導き、先発ローテーション返り咲きに大きく前進した。「(ローテ争いに)食い込めたとは思います。後半しっかり(ローテで)回れるように、きょうの投球を続けていきたい」。シーズン前半で出遅れた27歳が、後半戦のキーマンになる。