ファイターズ
2022/06/08 23:40

「泣いてないっすよ」清宮が自己最多タイ7号ソロ ノーノー翌日うっぷん晴らした

四回裏無死から自己最多タイとなる7号ソロを放った清宮がベンチでキヨダンス?(撮影・松本奈央)

■日本ハム5-3DeNA(8日、札幌ドーム)

前夜は四球の出塁のみ「きょうはしっかり勝てた」

 右翼スタンド中段に突き刺さった打球は、まさに清宮らしい特大の一発だった。「5番・一塁」で先発した清宮幸太郎内野手(23)が四回に自己最多に並ぶ7号ソロを記録。DeNA・入江のフォークを捉え、たまっていたうっぷんを晴らしてみせた。

 誰もが悔しい敗戦を乗り越えた。7日は今永相手に無安打無得点。清宮は唯一の四球を選んだが、2打数無安打。「きのうはきのうで、きょうはしっかり勝てた」と気持ちを切り替えて、勝利を呼び込むアーチを架けた。試合後には顔をぬぐっていたところが、テレビ中継され、涙を流していた〝疑惑〟もあったが「泣いてないっすよ。なの字も出てないです。悔しいですけど、涙は出ていない」と完全否定した。

 元来、明るく野球に取り組む清宮も、精神的に追い詰められた時期はあった。3年目の2020年はキャリアワーストとなる7失策を犯しており、失点につながるミスも多かった。

一歩ずつ成長続ける 3年目には7失策「大変だった時あった」

 同年9月20日ロッテ戦、1点リードの九回2死一、二塁。飛び出した一走を刺そうとした清水の一塁への送球がそれた。一塁を守っていた清宮も懸命に左手のグラブを伸ばしたが、後逸し、二走が同点のホームを踏んだ(記録は清水の失策)。試合も逆転負けを喫し、これまで経験にないような悔しさを味わった。

 「一番覚えている。タッチを急いじゃって。それで二塁ランナーがかえって来て同点になって。それまでも、すごいエラーが続いていて。もう…大変だった時はありました」と苦しい日々を振り返った。

 それでも一歩一歩、階段を上っていくしかなかった。金子野手総合兼打撃コーチが「少しボールの見方が良くなってきている」と評したように、打席内での進歩は見せている。ルーキーイヤーの18年終盤には、栗山前監督から打席での1球1球に対して、自身が考えていたことを書き出す〝宿題〟を課されていた。「普段からやっているので、その時だけっていう感じではない」。今でも過去の打席を映像で見返すなど、1年目から積み上げてきた883打席は確実に生きている。

 鳴り物入りで入団した〝期待値〟からすれば、物足りなく映るかもしれないが、成長のスピードは人それぞれ。今季はそれを一気に加速させる予感を漂わせている。

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