高校野球
2022/05/26 23:45

札第一 近江のサヨナラ打でクラーク撃破 3年ぶり4強入り

まさに破顔一笑の一打だ。延長十一回、サヨナラ打を放った近江(撮影・小田岳史)

▽春季全道高校野球準々決勝(26日、札幌円山)札第一5-4クラーク

 準々決勝3試合が行われ、4強が出揃った。札第一は延長戦の末、5―4で選抜甲子園帰りのクラークにサヨナラ勝ち。十一回1死満塁で、五回からロングリリーフした近江駿弥投手(2年)が、一塁手の頭を越える執念の一打で3年ぶりに準決勝進出を果たした。27日の休養日を挟み28日に準決勝が行われる。

 延長十一回、勝利への執念で上回った札第一が、約3時間に及ぶクラークとの死闘を制した。近江が外角低めの初球に食らいついた打球は、大きく跳ねて右翼前へ。勝利を確信し、右手を空へと突き上げると、ベンチからはナインが一斉に飛び出した。「何も考えていなかった。とにかくチームが勝つために何ができるか考えた結果」と、サヨナラの一打を振り返った。

 相手は九回途中からマウンドに上がった、最速148キロ右腕の辻田旭輝(3年)。近江は、それまで2打数無安打。「自分がどうにかして決めるしかない。併殺が最悪の形。ボテボテでも点は入ると思っていた」と、しっかりと頭の中を整理して打席に向かい、劇的な幕切れを演出した。

 背番号は16。持ち味は負けん気が強くて投げっぷりがいい投球だ。25日の滝川西戦では6点リードの七回に全道初マウンドも、いきなり3失点。「悔しかった。ただ気持ちの面でへこんでいても意味がない。向かっていく気持ちでいきました」と、7回を投げ最少失点で粘り切り、リベンジに成功した。

 チームの野手は、2戦連続、3年生で固定。九回と十回には守備のミスでピンチも招いたが、「いつも助けてもらっているので、ここは自分が助ける番だ」と、ギアを上げて切り抜けた。準決勝へ「一つ一つ勝ちに行くだけ。その先に決勝がある」。頼もしい2年生リリーバーが、勝利のためにブルペンで備える。

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