大海 10安打浴びるも今季2勝目&本拠地初勝利
■日本ハム12ー5ソフトバンク(22日、札幌ドーム)
伊藤大海投手(24)が、躍動感たっぷりに今季本拠地初勝利を挙げた。10安打を浴びながら、6回3失点と粘投。お立ち台に上がり「きょうのピッチングでいいのかなっていうのはありましたけど…」と恐縮したが、伊藤らしさが詰まった107球だった。
超スローカーブで打者翻弄
一回、先頭・三森を2ストライクと追い込み、計測不能の超スローカーブで左飛に打ち取った。「決着がつく感じではなかったし、空振りが取れそうにもなかった。気持ち的にも1個入れておけば楽になるのかなと思いました」。このオフ、完全習得に取り組んできた〝魔球〟で最初のアウトを奪った。
五回にも球場を騒然とさせた。牧原大の投手強襲の打球を止め、素早いフィールディングで一塁に投げてアウトにした。送球後、笑みを浮かべながらグラウンド上であおむけのまま一瞬フリーズ。「左足が引っかかっちゃって外そうと思ったらボールを見失って。打球がそんなに速くなかったのにオーバーリアクションで」と苦笑いした。
「(一塁手の清宮)幸太郎が良く取ってくれました。大暴投になるところだった」と感謝。「お客さん、ファンのみなさんが入っていて、上向くことはなかなかないので、またいい経験をさせてもらいました」とはにかんだ。
前回16日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、際どい球をボールと判定され、両膝から崩れ落ちた〝土下座ポーズ〟が話題になっただけに「また、爪痕を残していいんじゃないですか」とニヤリ。ヒーローインタビューでは「2試合連続でグラウンドにはいつくばってしまったので、いろんなリアクションをしつつ、ファンのみなさんに楽しんでもらえたら」と宣言した。
花粉症との戦いも
この日はタカ打線だけではなく、もう一つの敵とも戦っていた。「朝、起きた時から花粉症との戦いが始まった。目が腫れぼったいなと」と、前日までの本州遠征でプロ入り後に発症した花粉症が再発した。
「目をこする癖も良くないんですけど、ずっと目がかゆくて、自分のロジンでまたかゆくなるっていう。集中力を切らさないように頑張ろうと思いました」。目薬をさして、何とか気合で乗り切った。
打線の大量援護もあり、今季2勝目をゲット。昨年は5月28日の中日戦での本拠地初勝利から6連勝をマークし「去年も札幌ドームからいい形をつくれたので、何とかいい流れでもっていけたら」と誓う。
投げて、走って、時にはグラウンドをはいつくばって…。全力プレーと大きなリアクションで、ファンを楽しませてくれるのが伊藤大海だ。