ファイターズ
2022/02/28 15:26

室伏長官から”鉄人の教え”注入!今川 135メートル特大弾!

四回2死三塁から今川が左翼へ特大アーチを放ち、新庄ビッグボスに超アピールを決めた(撮影・松本奈央)

■名護キャンプ BIG組

 鉄人パワーさく裂! 日本ハムの今川優馬外野手(25)が27日、広島とのオープン戦(名護)に「5番・左翼」で先発し、四回の第2打席で左越えに“今季1号”2ランを放った。24日に臨時コーチを務めたスポーツ庁の室伏広治長官(47)から指導を受け、パワーアップ。推定飛距離135メートルの特大弾をかっ飛ばした。試合は4―2で快勝。キャンプ最後の実戦でアピールに成功した2年目の道産子が、開幕まで1軍にしがみつく。

広島に4-2快勝 オープン戦チーム1号

 打った瞬間に柵越えを確信し、力強く右拳を握りしめた。1点リードの四回、2死三塁で打席に立った今川は、カウント2―1から広島のドラ1左腕・黒原の直球をフルスイング。名護の晴れ渡る青空に舞い上がった白球は、まるで室伏氏が放つハンマーのように大きな放物線を描き、左翼防球ネット最上部に直撃した。

 「完璧でした。このオープン戦にかける思いはすごい強かった。今年はレギュラーを獲るという気持ちで取り組んできたので、まず1本出てホッとしています。飛距離は室伏長官のおかげです」

 アテネ五輪のハンマー投げで金メダルを獲得した室伏臨時コーチの指導が、推定135メートルの特大アーチにつながった。24日に一瞬で強い力を出す方法などを教わり「小手先に頼らず、股関節、体の中心を使って力を生み出す意識が大切。中心部分で回旋して打てれば、僕の持ち味である強い打球が打てる」と理解して即実践。理論派の今川にとって、物理学や運動力学の側面からアプローチする“鉄人の教え”は、効果抜群だった。

愛する弟へ20歳の祝砲「ビデオ電話で報告したい」

 力の源は他にもある。愛する家族の存在だ。今川は6人きょうだいの長男で、2月27日は三男・天馬さんの20歳の誕生日。「なんとかいい結果を報告したい、ホームランが一番いいかなと思って、試合に臨みました。後でビデオ電話で報告したいです」と優しい笑顔を見せた。この日の一発は、弟へ贈る最高のバースデープレゼントだった。

 秋季キャンプに続き、今キャンプでも野村、郡、万波、細川と毎日の夜間練習を欠かさず行っている。しかし、26日に野村が負傷離脱した。「もう非常に残念ですね。本人が1番、悔しいと思う。早く復帰してもらって、また一緒に高め合いたい」。ともに鍛え合ってきた仲間への思いも、バットに乗せるつもりだ。

 開幕まで残り1カ月弱。きょう28日のキャンプ打ち上げが、熾烈(しれつ)なサバイバルレースのゴングだ。「打って、打って、打ちまくるしか生き残る道はない。このまま継続して振り続けないと、レギュラーはない」

 今川のキャッチフレーズは「執念」。鉄人パワーとど根性で、初の開幕1軍を勝ち取ってみせる。

王柏融も負けじと七回に完璧アーチを右翼に放つ

七回に王柏融も!開幕OK弾

 豪快な一発でレギュラー獲りをアピールした。「6番・DH」で先発出場した王柏融が、オープン戦1号となる右越えソロ本塁打を放った。

 2点リードの七回、先頭で迎えた第3打席。床田の投じた初球139キロの直球を完璧に捉え「すごくよかった。自分の中でいい感覚で打つことができた」と満足そうに振り返った。

 台湾の3冠王として鳴り物入りで入団したものの、昨季まで3年間の通算成績は打率・243、14本塁打、92打点と物足りない数字が並ぶ。4年目のシーズンに向けて「今年は試合に出て、チームに貢献できるようやっていきたい。いつ開幕していい状況」と気合十分だった。

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