冬季スポーツ
2022/02/22 14:31

《道勢アスリート次なる目的地㊤》スピードスケート村上 33歳でのメダルに挑戦

8位入賞を果たした村上。33歳で迎える次回大会、夢のメダル奪取に懸ける

 日本勢が過去最多18個のメダルを獲得した北京五輪が20日に閉幕した。道内勢もスピードスケートの高木美帆(27、日体大職、帯南商高出)、スキージャンプの小林陵侑(25、土屋ホーム)の金メダル2個を含む8個を獲得。17日間の熱戦を振り返るとともに、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ大会(イタリア)に向けて歩み出した選手を、3回にわたり紹介する。

 「過去最強」とも言われたスピードスケートの男子短距離陣。国内代表選考会で最後の1枠を奪取し、大舞台に立った村上右磨(29、高堂建設)は500メートルで8位に入賞した。レース後には、33歳で迎える次回大会への出場に意欲を見せた。

 銅メダルを獲得した森重航(専大3年、別海上風連中出)、短距離陣を引っ張ってきた新浜立也(25、高崎健康福祉大職、釧商高出)と比べ、29歳で五輪初出場を果たした遅咲きの苦労人。ナショナルチーム加入前は、父親の電気工事会社で勤務しながら練習を積んできた。

 平昌大会出場を逃し、転機が訪れたのは18年夏。就職支援制度「アスナビ」を利用して地元・帯広の「高堂建設」に入社が決まった。会社の手厚いサポートを受け、競技に取り組む時間は大幅に増加。環境はガラリと変わった。

 同社にはかつて、女子500メートルで平昌五輪代表だった神谷衣理那が所属していた。そのため、頻繁に大会に足を運んでいた高堂匠美社長。「彼は速くなりそうだな」と、以前から村上の才能に一目置いていた。

 入社を決める直前に2人で面談した際、村上は「五輪でメダルを獲ります」と力強く宣言した。「五輪に出ます、くらいかな」と想像していた高堂社長は、その強気な発言を聞いて採用を決断したと言う。

 初めての五輪は表彰台まで0秒08届かなかった。2度目の五輪出場へは、再び激しい国内争いが待ち受ける。「挑戦し続け、成長すれば4年後もある」。約束を果たすまで、まだまだ前に進み続ける。

あわせて読みたい