清水優心 苦しい時期を救ってくれた松本剛の存在 「勉強になった」その姿勢
鎌ケ谷の2軍施設で打撃練習する清水優=撮影・中田愛沙美
球団幹部から評価「人間的にも成長している」
日本ハムの清水優心捕手(29)が19日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレ。グラウンドでのダッシュ、打撃練習など黙々と汗を流していた。今季はプロ11年目で初めて1軍出場なしに終わった。苦しいシーズンとなったが、イースタン・リーグで57試合に出場するなど前向きにプレー。今月15日に行われた契約更改交渉では、球団幹部から「人間的にも年々、成長している」と評価してもらった。
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くじけそうな時、気持ちを奮い立たせてくれたのが、巨人にFA移籍する松本剛だった。清水にとって、3学年上の先輩は名門・帝京高のキャプテンを務めた憧れの存在。「入った時は、僕の3つ上だから中3から(甲子園で)見ていて。帝京・松本剛、片手でレフトスタンドに放り込んだ。剛さんとちょっと仲良くなった時に、片手でレフトスタンド上段入れていましたもんね、とそういう話もしました」
人としてついて行きたい存在
2021年12月20日、ファン納会の写真撮影会でピースサインを見せる清水優(左)と松本剛
食事にもたくさん連れて行ってもらい、ここ数年は年始に合同自主トレをしている。「寮生活も2年かぶっていましたし、まずは人間力というか。人としてやっぱりついて行きたいなって、そういうのが勉強になった。特にここ4、5年は本当によくしてもらっていて、僕自身もしんどい時とか話したり、(年始の)練習とかも誘ってもらって。悪いこと聞かないし、苦しんでいる人がいれば、誰にでも声掛けていました」
剛さんの姿を見て、自分自身を見つめ直すことできた
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優しく寄り添ってくれた。松本剛自身も今季は打撃不振で2度の2軍落ちを経験。結果を残せず苦しむ中で、いつも清水のことを気に掛けてくれた。「今年も剛さんなりにしんどい思いもしたと思います。そのときもご飯行ったり、色々話をしたりしましたけど。決して諦めた姿とか、言葉とかそういうのはなかった。そういうの見ていると、プロ野球選手なのでやるのは当たり前なんですけど、もちろん野球選手みんながみんないい思いをしているわけではない。しんどい経験をしている人は半分くらいいると思う。その中で、剛さんのああいう姿を見て、自分も頑張ろうじゃないけど、自分自身を見つめ直す、そういう考えになれたので。本当にありがたいというか。自分もここ何年はしんどいシーズン続いてますけど、(松本剛と)話をしたりとか、そういう姿を見たりして、やってこられているのかなと思いますね」。腐ることなく、実直に野球と向き合うことができた。
25年春季キャンプ、紅白戦で清水優(左)に声を掛ける松本剛
次は自分が下の世代に伝えていく番
次は自分が、学んできたことを下の世代に伝えていきたいと思う。「僕も来年30(歳)だし、もう折り返しはきていると思う。ここからあと1年、1年どうやっていけるか。剛さんの姿勢だったり、言動…。僕だと説得力はないかもしれないけど、後輩に聞かれた時はそういう話とか、もちろんできればいいと思う。僕もそういうので救われたので、1人でもそれで救えれば。気持ちが入ったとか、考え方が変わったとか。後輩たちが増えていく中で、何か1つでも後輩たちに話ができればいい」と決意を新たにしている。

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松本剛は不遇の時代を乗り越え、プロ11年目の22年に首位打者のタイトルに輝くなどブレーク。努力は必ず報われることを証明してくれた。尊敬する先輩のように、ここから這い上がる。