Bリーグ
2025/12/08 17:00 NEW

《SR渋谷戦後》アグレッシブに。絶対にブレーキを踏まない《ロイブルTalk》

 

■B1リーグ第12節(12月6、7日、東京・青山学院)
▽第1日 SR渋谷77-80レバンガ北海道
▽第2日 SR渋谷94-100レバンガ北海道

 試合後の会見に応じたトーステン・ロイブルHC(53)の主な一問一答は以下の通り。

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(12月6日)

―試合を振り返って
「前回、渋谷とプレーした時(10月29日)、敵地でわれわれが大差(84-58)で勝ったこともあり、出だしから簡単な試合ではないということは分かっていました。渋谷の方も強度の高い内容で出だしから来て、フィジカルな試合になりました。渋谷の持ち味のオフェンスリバウンドをしっかりと警戒しようという話をしていましたが、残念ながらちょっとリバウンドをやられてしまい、このような競った試合になったのではないかと思います」

―後半からリズムに乗れたように見えた富永には何か伝えたのか
「富永選手は、やはりショットセレクションが大事だと思う。早く打ちすぎないとか、無理して打たないという部分が鍵になった。前半、彼の打ったシュートは良いシュートセレクションだったと思うのですが、運悪く入らなかったというだけ。後半はより彼も我慢し、状況を見ながらリズム良くシュートを打っていたので、その結果かなと思います」

―今季は6点差以内の勝利が7勝目となった。接戦を拾えている要因は
「正直、運もあると思っています。われわれの哲学としては、ハードワークをすればするほど運の数が増え、自分たちのものになると思っています。このチームは必ずしもタレントがそろっているわけでもないですし、個々のタレントも高くないと総合的には思います。それぞれできることは限られているのですが、やはりチームとしてどれだけプレーできているかというところで、ハードワークを基に、運が今、自分たちに向いてるのではないかと思います。もちろん試合終盤になると、やはりリーダーシップが必要になってくると思う。リーダーシップとIQと経験。そういう意味ではオカフォー選手とケビン・ジョーンズ選手がわれわれのチームにとっては、すごいリーダーシップを取ってくれる。2人の存在はチームにとって大きいと思います。いかんせん、若いチームなので、きょうももっとリードを保って勝つべき内容だったと思うが、やっぱり終盤にミスも多かったので、このような競った試合になってしまった」

―8連勝はチーム初年度を含めて最長。新しい歴史がつくられていると思うが
「よく空白の本に例える。選手たちがペンを持っていて、そのペンでどういう内容を書くのかは自分たち次第。今、良い意味で彼らがしっかり記入していっているのではないかなと思います。今われわれは、バスケットボール界に良いメッセージを送っているのではないかな。タレントで勝つわけではない。お金で勝つわけではない。環境も必ずしも整っていないチームがここまで勝っていることが証明している。逆の(状況の)チームもあると思うので、全てがお金ではないという意味でも、良いことだと思っています」

―第3Q序盤の連続得点後に連続失点。何が良くて、何に苦しんだのか
「良かった時のこのチームは、ディフェンスが良いときには、それがトランジション(攻守の切り替え)につながって得点につながるという内容。第3Qの特に出だしの3分は、ボールプレッシャーがあり、プレッシャーで相手のスクリーンもエアスクリーンになって、そこから悪いシュート、ターンオーバー、スチール、またリバウンドから走ることができた。その後、なぜかディフェンスがソフトになってしまった点と、オフェンスがいくつかターンオーバーとなってしまった。ターンオーバーの質として、直接相手のイージーな得点につながってしまった。そのアップダウンという内容が、第3Qだったと思います」

(12月7日)

―試合の総括を
「きょうは本当にタフな試合。特に渋谷が、自分たちのスイッチディフェンスに対してうまくアタックしてきた。ミスマッチを突いてきた。特に前半、スリーポイントを60%の確率で決めている中、自分たちはディフェンスでもいろいろなことを試した。にもかかわらずシュートを決めてきたので、渋谷の素晴らしいパフォーマンスに敬意を表したいと思っています」

―終盤にジョーンズの奮闘が光った
「きょうの勝因の一つは、やはりKJ(ケビン・ジョーンズ)選手が終盤で、ビッグショットをいくつか決めきったところ。それは彼が経験やリーダーシップを発揮してプレーしてくれた結果だと思っています」

―ここまで好調をキープできている理由は
「まずは、このチームは本当にケミストリー(化学反応、連係)が良いのではないかと思っています。選手たちそれぞれが自分たちの役割を理解している。多分それ以上に大事なのは、それを受け入れているというところかなと思っています。このチームにはスーパースター、オールラウンダーのスーパースターはいない。それぞれがロールプレーヤーとして自分の役割を理解し、なぜ今自分がコートに立っているのか、どういう役割を求められているのか、何をしたらいけないのかというのを全員理解している。サブの選手と入れ替える時にも、誰一人、なぜ自分が出るのか、なぜ自分がベンチに戻るのかという違和感を全く持たずにプレーしています。そういうチームの指揮を執るのは本当に楽しいです。このチームにはシューターがいるっていうのは皆さん、理解していると思います。このチームの得点、ペイントエリアからの得点力はリーグの中でもトップの方だと思っています。それはただインサイドにボールを預けるだけの点数ではなく、ガード陣がそこでスラッシング(リング方面に切り込み)し、ドライブして点数を取る。きょうも60点をペイントで取れたことは誇りに思って良い。このチームの武器の一つかなという風に思います」

―チームが回りやすいプランニングを意識しているのか
「自分たちのフィロソフィー(哲学)としても、シンプルにやろうとしている。KISS(keep it simple stupid、シンプルにいこう)。バスケットを複雑にしすぎるのは、やはり指導者の責任だと思う。自分はそういうスタイルではない。スタッフには同じことを言っている。『選手たちを混乱させてはいけない。シンプルに』と。あとは彼らがコートでクリエイティブにプレーできるような環境を常につくるように心がけています」

―富永は2日間で47得点。その評価と10連勝がかかる次戦への一言を
「富永選手に対するコメントは常に変わらない。彼には無理なシュートを打ってもらいたくない。きょうの試合は、どちらかというとちょっと無理なシュートを打ち始めていたのではないかという印象です。もう少しボールを回しても良かったのではないかなと思います。特に終盤にジョーンズ選手とツーメンゲームで、相手のスイッチに対してしっかりパスを出せていた。彼が27得点したところ以外、ボールシェアや無理をしてシュートを打たないという部分は、まだ課題の一つだと思います。彼が今後ステップアップするには、よりパスの質を上げていかなければいけない。ビジョンはしっかり、コートは見えているので、もっとしっかりパスを出せる選手になってもらいたいという思いは、変わりません。(10連勝については)このチームはあまり先を考えないようにしている。自分たちは一つ一つの試合、全試合を決勝みたいな形で挑んでいます。今までやり続けたことを継続し、アグレッシブに。絶対にブレーキを踏まないで、前進していけれなと思っています」

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