J通算200試合出場 長谷川竜也が抱く信念は…「行動1つで見ている人の心を動かすことができる」
練習前、準備するMF長谷川=撮影・桜田史宏
■11月20日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は20日、札幌市内で第37節・今治戦(23日、アシさと)へ向けて全体トレーニングを行った。前節の大分戦でJ通算200試合出場を達成したMF長谷川竜也(31)は、昇降格のない残りシーズンへ「こういうときにピッチで100%を出せるか、自分自身が問われている」と高い意識を保ち続ける。プロフェッショナルを貫く背番号16の生き様が、札幌の地力を底上げする。
「こういうときにピッチで100%を出せるか」
決して大きくない体を目いっぱい使い、ピッチを駆け巡ってきた。足掛け10年で刻んだ節目の記録は、プロ生活の確かな勲章だ。
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「順風満帆にいかなかったプロサッカー生活ですけど、良い経験から自信を付けて、苦しい経験から自分の人生にどう向き合うかを学べました。ケガもしたけど、タラレバを言い出したらキリがない。そういう経験があったから自分の体に向き合い、思い通りにいかないときに、どんなメンタルで過ごすかを学べた。僕は今に満足しています」

卓越した足元の技術と高い戦術理解度でチームをけん引する。そんな男でさえ、キャリアのスタートは苦難の連続だった。ルーキーイヤーはハムストリングスなど4度の肉離れを経験。度重なるケガに泣かされたが、逆境をバネにすることで成長を遂げてきた。
素晴らしいコーチに出会い、取り組んだことは…
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「いわきFCのスプリントコーチをやっている秋本さんに出会って、走り方を直しました。そこから肉離れが減って、オフシーズンは今もお世話になっています。肉離れを繰り返したからこそ、僕は素晴らしいコーチに出会うことができた。ケガをしたから何が原因かを考えたし、そこで出会えた人もいる。あのとき、いっぱい肉離れして良かったと今は思えます」
最高の出会いを得て、サッカー人生は好転した。川崎時代に4度のリーグ制覇を経験し、横浜FCと東京ヴェルディではJ1昇格の喜びを味わった。200試合の中で数々の勝利に貢献した職人肌は、確固たる信念を胸に抱き、残るキャリアを全うするつもりだ。

少しでも良い影響を与えたい
「自分はサッカーを通して人に良い影響を与えられる人になりたい。自分が所属するチームの目標を達成する助けになりたいし、サポーターにもチームメートにも、自分が関わって一緒にプレーすることで、少しでも良い影響を与えたいと思っています」
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揺るがない決意があるから、昇格も降格もない戦いに全力を注ぎ込める。シーズン残り2試合も愚直に、最高のプレーを追求する。「プレー1つで誰かに勇気を与え、誰かの楽しみになることができる。僕らの行動1つで見ている人の心を動かすことができる職業だと思っている。その姿勢を特に大事にしながらやっていきたい」。その目線はもう、201試合目に向けられている。
