玉井大翔 伏見とのベストゲームは球団史に残る1勝「道産子2人で最後を締められた」
道産子バッテリーで球団史に残る1勝を挙げた玉井(左)と伏見
発表当日の朝に告げられたトレード移籍
日本ハムの玉井大翔投手(33)が、13日に阪神へのトレード移籍が発表された伏見寅威捕手(35)への思いを語った。ともに戦った3年間でのベストゲームには、球団のメモリアルとなった今年のあの試合を挙げた。
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玉井が伏見のトレードを知ったのは、発表当日の朝。球場で本人から直接、伝えられたという。「朝に会って、『ありがとう』と感謝の言葉をかけられて。びっくりもしましたけど、なんとなくある話なのかなとも思ってはいたので。寂しいですよね」と、当時の心境を振り返った。
16日、自主トレを終えて引き揚げる玉井=撮影・工藤友揮
道産子捕手に全幅の信頼 「安心感がある」
ともに北海道で生まれ育った2人がチームメートとなったのは、伏見がFAで日本ハムに加入した2023年シーズンのこと。前年にオリックスの日本一達成に貢献していた名捕手のリードに、玉井は大きな信頼を寄せていた。
「(ボールを)受けてもらって、一番、信頼感があるキャッチャーというか、安心感があるなと。寅威さんが出したサインに、思い切って投げれば間違いないという感じでピッチャーはみんな投げていたと思うので、そういうところの安心感はやっぱりありましたね」
伏見(右)と道産子バッテリーを組んだ玉井
忘れられない試合は今年の…
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試合はもちろん、プライベートでも何度も一緒に食事に行っていた。そんな伏見とコンビを組んだ中でのベストゲームは―。その問いに対する答えは、今年6月10日にエスコンフィールド北海道で行われたセ・パ交流戦のヤクルト戦。2点リードの九回から登板した玉井が、伏見とのコンビで相手打線を無失点に牛耳ってつかんだ白星は、球団にとっても節目となるメモリアル勝利となった。
「球団の北海道移転1500勝目の試合で、最後に僕と寅威さんが組んで。道産子2人で最後を締められたというのはうれしかったなと思います」。移転22年目で達成した節目の勝利を演出した道産子コンビの勇姿は、球団史に新たな1ページとして刻まれた。
6月10日、ヤクルトとの交流戦後、球団の北海道移転1500勝目の記念ボードを持つ(左から)玉井、達、伏見
日本シリーズでの対戦を切望
36歳を迎える来季を新天地で戦う伏見に「とにかくもうオジなので(笑)、本当にけがだけは気を付けてほしい。それだけです」とエールを送る。
一方、玉井は胸中に、とある思いを抱いている。「こっち(日本ハム)に入ってきてから結構、僕のフォークを酷評してくるんですけど(笑)、あの人、オリックスでは僕のフォークで三振しているんですよ。しかも『ハーフスイングで、あれは振っていない』とか言って認めていないので(笑)、フォークで三振を取りたいなと思います」
リーグが異なるため、公式戦で対戦できるのは交流戦、そして日本シリーズのみだ。「そういうところで対戦できたらうれしいですし、ファンの方たちも盛り上がるんじゃないかなと思うので、そこを目指していきたいですね」。頂上決戦で繰り広げられる〝玉井vs伏見〟。そんなシーンを現実のものとすべく、ベテランがその右腕を磨き上げていく。
