玉井大翔 2年ぶりのセーブ 首脳陣が道産子右腕を九回のマウンドに送ったワケ
九回を無失点に抑え、笑顔を見せる玉井(左)=撮影・井上浩明
■セ・パ交流戦1回戦 ヤクルト1-3日本ハム(6月10日、エスコンフィールド北海道)
節目の試合でクローザーに指名された背番号19
日本ハムの玉井大翔投手(32)が2点リードの九回に4番手でマウンドへ。1死からオスナに安打を許したが、無失点で切り抜け、2年ぶりのセーブを挙げた。
「いつもと違う緊張感もありましたし、力まないようにしました」とホッとした表情を見せた。佐呂間町出身の道産子は「子どもの時からずっと見ていたチーム。(北海道移転後)1500勝に携われたのはうれしいことですし、最後(試合を)締められたのはうれしいことだなと思います」と喜びをかみしめた。
身も心も準備はできていた
本拠地・エスコンフィールド北海道に戻り、6連戦の初戦。8日のDeN戦(横浜)でセーブに失敗した田中がベンチ外と〝抑え不在〟の状況だった。
玉井は「朝、練習に行った時に、もしかしたら…と言われていたので、心の準備はちょっとだけしていました」と振り返る。
2年ぶりのセーブを挙げた玉井=撮影・松本奈央
絶対に代わらないところで…
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クローザーとして起用することを決めたのは、打順の巡り合わせもあった。加藤投手コーチが内幕を明かした。
「選択肢の一つではありましたけど、打順によって。3、4番のサンタナ、オスナには玉井だろうと。そこに回ってくるのが、たまたま九回だった。下位打線とか左(打者)が出てきそうなところではなくて、オスナ、サンタナという右の絶対に代わらないところに当てようというのはありました。玉井が八回に行っていたら、九回はイーレイ。きょうはいろんな選手を見てみたいなと」

全幅の信頼 加藤投手コーチ「失敗の仕方を分かっている」
今季、腰痛から完全復活した玉井は、ここまで12試合に登板。3日の阪神戦(エスコン)で今季初失点を喫したが、安定したピッチングを続けている。
「宮西もそうだけど、失敗の仕方を分かっている。(阪神戦で)大山にホームランを打たれましたけど、そこから慎重さも出て、横浜(でのDeNA戦)なんて素晴らしかったですよ」。プロ9年目を迎えた右腕に対して、絶大な信頼があった。

お立ち台で見せた田中への気遣い
試合後、お立ち台に上がった玉井は、守護神の田中についても触れるシーンがあった。
「毎回こんなところで投げている正義はすごいなと思ったので。きょうはたまたま僕が行きましたけど、またあしたから正義も戻ってくると思うので、ブルペンみんなで頑張りたいと思います」
お立ち台で言葉を発する玉井(中央)
一丸となってリーグ優勝&日本一へ
加藤投手コーチも、大きな期待を寄せている。
「正義も頑張ってくれていますから。(これでやり返そうと)思わないとダメですよ。長いシーズン考えて、柳川とか(斎藤)友貴哉もそうですけど」。これからシーズン中盤戦に入り、ブルペン陣の力が必要になる。みんなで力を合わせ、勝利へのバトンをつないでいく。
