金村尚真 〝大海スタイル〟踏襲で来季先発ローテ完走目指す「本当に良いピッチャーであれば…」
秋季キャンプを終え、来季の覚悟を話す金村=撮影・松本奈央
■秋季キャンプ(11月9日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムは9日、エスコンフィールド北海道で行っていた秋季キャンプを打ち上げた。今季の開幕投手を務めた金村尚真投手(25)は、前半戦は先発陣の一角を担ったものの、途中から中継ぎに配置転換された。金村は先輩右腕の投球術から得た学びを体現し、来季こそ先発ローテを死守してシーズンを完走する覚悟だ。
秋季キャンプはウエート中心に調整
「オフシーズンのための準備期間ではないですけど、ここから始めるよ、という意図でやってきたので、強度を高めて、ウエートばかりやっていました」。先月31日から述べ9日間にわたって行われてきた秋季キャンプ。金村はウエートトレーニング中心のメニューで、調整を重ねてきた。

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昨季のオフは、翌年の開幕投手に指名されていたこともあって、ケガをしない体づくりを意識して調整に取り組んだ。その甲斐もあって、大きな負傷もなく、無事にシーズンを終えることができた。「今年一番良かったのは、ケガをしなかったところ。去年のオフにしっかり体をつくったから、今年はケガをしない体ができたと感じるので、それを引き続きやっていきたいです」
今年改めて感じたのは「真っすぐあっての変化球」
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一つの成功体験を糧に、今オフも同様の取り組みを継続しようとしている一方、今季の反省を踏まえて、改善しようとしているのがストレートだ。「今年はちょっと(ボール)スピードが自分の中で物足りなかったな、というのがあって。去年(のオフ)は、良い変化球を投げたい、スプリット以外の変化球も投げたいという気持ちが強くて、そこに(意識が)行っていた。今年改めて感じたのは、変化球はもちろん大事ですけど、真っすぐあっての変化球。もう一度真っすぐを見つめ直してやっていかないと通用しないなと」。もう一度先発ローテの座に返り咲くために、投球の基本に立ち返るつもりだ。
スタッフらとハイタッチをして秋季キャンプを締めた金村(手前右端)
プロ初完封と最高の滑り出し見せるも
今季は開幕戦のプロ初完封を皮切りに、5月までに3完封を含む4度の完投勝利をマーク。一方で五回持たずにKOされた試合が3度あるなど、成績の波が激しかったこともあって、7月上旬に2軍落ちを経験。約1カ月で1軍に戻ってきたが、以降は全て救援での登板となった。「(前半戦は)すごく調子が良い日というのがなくて。もともとそんなに良くなくて、悪い時は本当に悪い部分が出てしまったシーズンだったと感じています。本当に良いピッチャーであれば、悪い時でもなんとか試合をつくると思うので、悪い時にいかにどうやるかというのを、来シーズンはきちんとやらないといけないなと感じました」
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乱高下の激しい投球内容を改善し、年間を通して安定した成績を残す。そのヒントとして挙げるのが、尊敬する先輩でもある伊藤の姿勢だ。「僕らから見ても(調子が)多少悪い時がある。その時に大海さんは、いろいろなことを試行錯誤してやっている。そこはすごいなと感じますし、1年間投げるピッチャーというのは、そういうところが長けていないと無理だな、と思う。そういったところをもっと自分でもできるように、試行錯誤しながらやっていきたいです」。身近な存在でもある沢村賞右腕が示した投球スタイル。そこから得た学びを自らの血肉に変えて、来季こそ先発ローテの一角として、最後まで走り抜く。
7日の秋季キャンプで伊藤(手前)とじゃれ合う金村