浦上仁騎がピッチで示す生き様「結局、自分に跳ね返ってくる。まずは自分がやらないと」
千葉戦でのスタメン返り咲きを狙うDF浦上。ピッチ上では誰よりも大きな声を張り上げてチームを盛り立てた=撮影・宮西雄太郎
■10月30日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は30日、札幌市内で第35節・千葉戦(11月2日、フクアリ)へ向けて全体トレーニングを行った。0-1で敗れた前節の水戸戦で出場機会のなかったDF浦上仁騎(28)は「選手である以上、もちろんスタートから出たい」とスタメン返り咲きへ猛アピールを誓った。最後方からチームを支える守備職人はシーズンラストも、クラブに情熱を注ぎ続ける。
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6月の加入から全試合スタメンに名を連ねた男が、大事な一戦でベンチを温めた。先発出場した前々節の富山戦を2-0で完勝しながらも、1週間後の水戸戦では最後まで出番が訪れなかった。崖っぷちに立たされていた札幌は、上位チームとの直接対決を落としPO圏進出が絶望的な状況に陥った。
水戸戦は加入後初めて出場機会なく 「納得できない感情があった」
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週明けの宮の沢のピッチ上には、仲間を鼓舞するように浦上の声が響き渡った。「勝った試合の後にメンバーを代えられて悔しいですし、自分の中では納得できない感情があった。ただし納得できないから、やらないとかふてくされる訳ではなくて、悔しい感情を練習にぶつけます。この世界にいる限り一喜一憂している暇はない。悔しさはピッチで取り返す」。背番号50は沈む空気を断ち切るように、必死にチームを盛り立てた。
数字上は可能性を残すが、大目標に掲げる昇格は限りなく厳しい。モチベーションを失ってもおかしくない現状を嘆くことなく、浦上はいつだって前を向く。
飽くなき向上心の根っこには、こんな理由がある。「サッカー選手として成長したいし、僕自身がまだJ1を経験していないので、その舞台に立ちたい。そのためにどうすればいいか? といえば、個人のレベルをもっと上げないといけないので、日々の練習に120%で取り組む必要がある。そうやって取り組むと僕の熱量が伝わってチームも活性化する。練習の質自体が上がればチームのレベルも上がる。結局、自分に跳ね返ってくると思っているので、まずは自分がやらないと」。プロフェッショナルは状況に左右されず、常に進化を追い求める。

現在リーグ3位に付ける千葉は、昇格争いの真っ只中にある。ホームの大声援を受けて戦う集団が手強いことを承知の上で、浦上は真っ向勝負を望む。
「すごいパワーを持って臨んでくると思う。そこで僕たちが受けに回ってしまうのか、アグレッシブに勇気を持てるのか。ときにはロングボールが多くなり、ときには全員がPA付近にそろって守備をする時間帯も必ずあるし、あっていい。前節の水戸に負けたからこそ、跳ね返す力やチーム全員で戦う姿勢を試されるゲームになる」
クラブ屈指の熱血漢は、フィールドで生き様を示す。
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