柴田コンサPO進出絶望的… 途中出場で奮闘の荒野「自分たちでつかめない可能性は、もうない」
試合後、サポーターにあいさつし、引き揚げる札幌の選手たち=撮影・松本奈央
■J2第34節 札幌0-1水戸(10月26日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)
北海道コンサドーレ札幌は26日、ホームで水戸と対戦し0-1で敗れた。前半に先制を許した柴田慎吾監督(40)は、後半に5枚の交代枠を使い切って反撃に出たが、ゴールは遠かった。この敗戦によって自動昇格の可能性は消滅。次節は引き分け以下で、PO圏進出の道が途絶える。
前半、試合の行方を見守る柴田監督(中央)=撮影・北波智史
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1シーズンでのJ1昇格は絶望的となった。2位の水戸と対戦した札幌は、いくつか見せ場をつくりながら無得点。死力を尽くしても、欲しかった白星は得られなかった。
ゲームを終えた指揮官は「勝てなかったということに尽きます。ちょっとしたタイミングを逃したこと、ラストのクオリティーを欠いたこと。ゴールを決める上で肝になるところでズレが生じた印象です」と唇をかみしめた。
敵将も「この2選手が怖かった…」 キーマン封じられ主導権握れず
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攻守のキーマンを封じられては、主導権を握れない。首位に返り咲いた水戸の森監督は「近藤選手、高嶺選手にあまり仕事をさせなかった。ダブルボランチ、FWがしっかりケアしてくれた。この2選手が怖かったので、相手のストロングをケアしてゲームを進められたことが、きょうの勝ちにつながった」と試合を振り返った。
後半、ミドルシュートを決めきれず、悔しがるMF高嶺(右)=撮影・大石祐希
劣勢を覆そうと、選手たちは奮闘した。後半スタートから投入された荒野は、効果的なパスと積極的なシュートで相手の脅威であり続けた。チームは試合終盤に小気味よいパスワークから決定機をつくるなど、今持てる力を十分に見せた。
34試合を終えてリーグ11位。思い描いた順位とほど遠くても、これが現実だ。荒野は積み重ねた事実を直視し、潔く言う。
「プレーオフは厳しい。僕は自分たちでつかめない可能性は、もう(すでに可能性が)ないと思っている。他力次第で運に恵まれればいいけど、今シーズンは自分たちで落としたゲームがいっぱいある。残り4試合はしっかりと地に足を付けて、来シーズンに向けて可能性のある試合をしたい。もう1回、あの(J1)舞台に戻れるように」
後半、相手のビルドアップにプレッシャーをかけるMF荒野(右)
札幌は次節、引き分け以下でPO圏進出の可能性が消滅する。たとえ勝っても仙台、徳島、大宮、鳥栖の結果次第で昇格は不可能になる。
限りなく望み薄な現状を受け止めて、柴田監督はなお前を向く。「我々は最後までベストを尽くす。可能性がなくなっても、応援してくださる方のために同じ熱量、エネルギーを持って戦います」。フットボールの世界に生きる男たちは、最後までプロフェッショナルの矜持を示す。
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