《荒木大輔のズバリ解投》栗山さんもイライラしていたはず 幸太郎よ、来季は最低でも30本!
ソフトバンクを追い込んだが…
日本ハムの今シーズンが終了した。記憶に新しいクライマックスシリーズ(CS)。リーグ王者のソフトバンクを限りなく追い込んだ。昨年は同じCSファイナルで、3連敗(0勝)した。成長を示したのは明らかだった。勝敗を分けたのは、きっちりとやるべきことをやっているかどうか。ここぞの場面での送りバントや進塁打。守りでは、やってはいけないエラー。そこに尽きるだろう。
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最終第6戦。(清宮)幸太郎のエラーが先制点献上につながった。決して責めるつもりはない。前向きなプレーだった。ただ、その積み重ね。一つ一つのプレーに対する精度の高さが、ベンチはもちろん、プレーヤー同士にも安心感を与える。
フォームを安定させた達が急成長
シーズンを振り返ると、若手の成長が顕著だった。代表的なのが達と福島だろう。まずは達。インパクトは大きかった。もともと持っているボールは素晴らしい。昨季までファームで見ていて、ランナーを背負った時のピッチングに関して思うところがあった。ハッキリ言うと、クイックがうまくなかった。それではフォームがバラバラになってしまう。ところが、今春のキャンプでしっかり改善されていた。フォームの安定は好投に欠かせない。
福島は、達に比べて早い段階から、まとまりがあった。シーズン序盤は調整に苦慮したようだが、一つ一つ試合で実績を重ねることで自信を付けていったように思う。
立場が違う来季 「やってもらわなきゃいけない」
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2人に共通して言えることだが、来季は相当、ライバルチームからマークされる。どんなピッチャーなのか。それはもう、どの球団も分かっている。データも揃っている。それは日本ハムも同じこと。互いのコーチ、スコアラーが傾向と対策を練る。今季までは「失敗しても大丈夫。さあ行ってこい!」といった感じで送り出されていたことだろう。来季は違う。先発ローテーションの一角として、やってもらわなきゃいけない。後半、戦列を離れてしまった柳川にしても同じだ。大いに期待したい。
万波と野村にとっては悔しいシーズン
打者ではやはり、清宮、万波、野村に触れたい。万波と野村は、悔しいシーズンになったはずだ。万波はスタメンを外れる試合が何度かあった。本人も、もう若手ではない、チームを引っ張らなくては、と思っていただろう。責任を背負って戦っていたように見えた。その中で思うような結果が残せなかった。そういう経験をプラスにしていかなければならない。そういった前向きな気持ちが今後の巻き返しにつながっていく。
野村は4番に指名され、順調なスタートを切った。だが、けがでチームを離れ、その座を奪われた。いや、また勝ち取ることができなかった。レギュラーをつかむことの難しさを痛感しただろう。もともと能力は高い。彼の場合は精神的な部分。「もっとやれたはずなのに」という思いをバネにしてもらいたい。
新庄監督の辛口は期待の裏返し
さて幸太郎。リーグ最多安打にあとわずか1本届かなかった。確実にレベルアップしている。だが、言いたい。こんなもんじゃないでしょ! (最多安打のタイトルを)取らなきゃダメでしょ! 長距離バッターでありながら、打率も残せるタイプ。ホームラン12本は物足りない! 広い札幌ドームから、本拠地がエスコンとなった。ホームラン数、減ってどうすんのよ! 新庄監督も、彼に対しては辛口だ。1年目からずっと見てきた栗山さん(CBO)もイライラして見ていたはずだ。それだけ才能があり、誰もが期待しているということ。来季、最低でも30本塁打は記録してもらいたい。
やはり、ファイターズは、清宮、万波、野村の3人が引っ張ってくれなきゃ。今はレイエスが打線の中心にいる。清宮よ任せた、万波に回せ。そんな存在になっていけば、打線はさらに厚みを増す。