札幌日大高・窪田洋祐がオリックス4位指名 由仁町初のプロ選手誕生へ「ワクワクしてもらえる選手に」
オリックスから4位指名を受け、チームメートとガッツポーズで喜ぶ札幌日大高の窪田(中央)=撮影・北波智史
投手ではなく外野手で
札幌日大高の148キロ右腕・窪田洋祐(18)がオリックスから4位指名された。由仁町出身では初。セールスポイントである打力を買われ、外野手として指名を受けたが、ファンをワクワクさせる選手を目指してプロの世界に飛び込むつもりだ。
オリックスから4位指名を受け、会見を行う札幌日大高の窪田(中央)。左は浅利理事長、右は森本監督
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仲間の大歓声とともに満面の笑み
緊張の面持ちで見守っていたTVモニターから自身の名前が呼ばれた瞬間、指名を喜ぶ野球部の仲間たちからの大歓声とともに、窪田の表情には満面の笑みが浮かび上がった。「もともと泣かないだろうな、とは思っていたんですけど、指名していただけた安堵感とワクワクで笑みが出ました」と、プロ入りが決まった瞬間の心境を振り返った。
チームも組めない小さな街からプロ選手へ 「大きな意味がある」
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人口約4500人の夕張郡由仁町出身。由仁小時代にプレーした由仁ファイターズでは、人数不足のため4年時には試合ができない時期も経験。由仁中時代も3年生としての最後の大会に連合チームで出場するなど、決して順風満帆な野球人生ではなかった。それでもその素質を見いだした森本琢朗監督(44)に「見た瞬間、『この子はプロだ』と思って」と誘いを受け、札幌日大高に進学。2年夏には4番打者としてチームを引っ張り、同校初の甲子園出場を達成すると、エースとして出場した3年夏はあと一歩届かなかったが、南大会準優勝に貢献した。
「田舎で、人も少なくて、チームもギリギリ組めている状態の町ですけど、そういうところからプロ野球選手が出るということに、すごく大きな意味があると思っています。自分の指名で、今の小学生、中学生が、自分もプロを目指せる、自分も上のレベルでやりたいとか、そう思ってくれる人が1人でもいるなら、自分はそれがうれしいというか、野球をやっていて良かったなと思います」

由仁町の有名店「東京ホルモン」
父・祐司さん(54)、母・よしえさん(49)は、由仁町の有名店「東京ホルモン」を経営。この日両親は札幌日大高を訪れ、一緒にその瞬間に立ち会った。前夜は緊張で仕事が手につかなかったという祐司さんは「小っちゃかった洋祐が、こんなに大きくなって。社会人に、大人になるというのだけでも感動なのに、彼がなりたかったプロ野球選手になれて、本当にひとしおです」と感慨深い表情。よしえさんも「ここまで来るのに、いろいろな段階でいろいろな方たちに手助けしてもらって、引き上げていただいて。(指名を受けて)安堵した気持ちになりました」と、お世話になった方々への感謝を口にした。
笑顔で両親とガッツポーズする札幌日大高の窪田(中央)
才能があると言い続けてくれた父
そして窪田もまた「自分がこの高校に行きたいと言ったときに全く反対せず、ここで頑張れとしっかり応援してくれて。その中で、ずっとお前はやれる男だとか、お前には才能がある、というのをずっと言い続けてくれた。それもあって自分もプロを目指そうとやって来られたので、すごくありがたい、頼もしい存在でした」と、両親への感謝を口にしていた。
最終的には日本を代表する選手へ
指名直後に行われた記者会見では、理想の選手像として「ワクワクしてもらえる選手」という言葉を何度も繰り返した。「見ていてワクワクしてもらえる、期待してもらえる選手というのを一番に掲げていて。日本を代表する選手になる、というのを最終目標として掲げています」。由仁町からNPB、そして世界へ。ファンを魅了する選手を目指し、プロの世界へと歩みを進める。
チームメートから胴上げされる札幌日大高の窪田(中央)
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