郡司裕也 鮮やかファインプレー 三塁守備上達も「不良生徒がちょっと掃除したら、めちゃくちゃ褒められる」
四回2死、好守を見せた郡司=撮影・宮永春希
■2025 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルS第5戦 日本ハム7-1ソフトバンク(10月19日、みずほペイペイドーム)
本職ではないサードで美技を披露
日本ハムの郡司裕也捕手(27)が4番として機能しながら、守備でも存在感を放った。四回には安打性のゴロをダイビングキャッチし、チームを鼓舞。強打のユーティリティープレーヤーは挑戦2年目のサードで進化を見せている。
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3点先制した直後の四回裏。正木の三遊間への強いゴロに反応した。飛び込んで捕球し、正確な送球でアウト。古林の好投を後押しするプレーになり「あれは大きかったですね。うまかったですね。上手でした」と冗談交じりに自画自賛した。
新庄監督から「いなかったらと思うと、ゾッとする」と絶賛されるほど、捕手も含めて複数ポジションをこなす郡司は貴重な選手だ。特に、三塁手としての出場が多かったシーズン終盤は、要所で好プレーが飛び出した。
守備でも郡司節 「グローブに神経が通り始めた」
地道な鍛錬が実を結び「サードをやり始めて2年。やっとグローブに神経が通り始めたというか、やっと血が通い始めた」と、少しずつ自信を深めていた。ただ、現状に満足することはなく「内野の守備はやった分だけ(結果が出る)ということじゃないですか。初心者がうまくなっていく過程って早いじゃないですか。何事も。中級者が上級者になるのは難しくて、ゆっくりじゃないですか。僕はたまたま、初心者が中級者になって、うまく見えているだけ」と持論を展開した。
四回2死、好守を見せた郡司=撮影・井上浩明
まだまだ進化の途中
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守備範囲も打球への反応も、上達しているが、本職内野手へのリスペクトを忘れない。
「僕は全然、上級までいっていない。不良生徒がちょっと掃除したら、めちゃくちゃ褒められる。毎日、掃除しているやつの方が偉いに決まっているやろ、みたいな感じですよ」と〝学校あるある〟を持ち出して自身の未熟さを強調した。
スペシャリストも高評価
慣れないポジションに悪戦苦闘した日々は間違いなく、今につながっている。
指導してきた谷内内野守備走塁コーチは「できることをしっかりやろうという気持ちは、去年から持ってくれているので、助かっている部分はすごくあります。経験して、自分がこれはもっとできるとか、これくらいなら行けるという範囲が増えているんじゃないかなと思います。動きがちょっとずつ内野手らしくなってきて、うまくなっているんじゃないかなと思う」と取り組む姿勢を含めて評価した。
当初は出場機会を増やすため、サード挑戦を決意した。あくまでも打力を生かすための手段だった。
ただ、首脳陣やファンに褒められることは素直にうれしく、郡司は「ブランディング的には成功ですよね。第一印象って悪い方がいいんだなと。少しできたら、うまくなったなと言われるじゃないですか。それは得していますよね」とニヤリと笑った。
四回2死、好守を見せた郡司を出迎えるナイン
勢いはファイターズにあり
連敗からの3連勝。相手に与えられた1勝のアドバンテージや完全アウェーの環境をものともせず、宿敵をのみ込もうとしている。「2敗した時は(ファイナル突破の)確率0%なんて言われてましたけど、数字がいかに意味のないものかということ。勢いは確実にこっちだと思うので、このままいけると思います」
守れる主軸は、頼もしく最高のシナリオに照準を合わせた。