郡司裕也 豪快バットフリップ裏話 実はコソ練していた? 理想はホークス、巨人で活躍した大打者
11日のCSファーストステージ第1戦で本塁打を放ち、バットフリップを披露する郡司
剛腕から値千金の一発
日本ハムの郡司裕也捕手(27)がオリックスと対戦した11日のCS(クライマックスシリーズ)ファーストステージ第1戦(エスコンフィールド北海道)で鮮やかなバットフリップを披露した。
1点リードの四回に山下舜平大投手(23)から大きな一発を放ち、実践。ファイターズファンを熱狂させたパフォーマンスには、強いこだわりが詰まっていた。
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奥が深い儀式
ライバルを突き放す一撃。山下の変化球をフルスイングで仕留めると、ほえながら右手のスナップを利かせ、バットをクルクルと回転させながら高く放り投げた。
狙ってスタンドまで運べる〝アーチスト〟だけに許される儀式だ。後日、取材に応じた郡司は「あれは決まったと思いました」と笑って自画自賛しつつ「打ち終わりって人それぞれで、人に合ったバットフリップがある。僕がホームランを打つ時は、だいたい(振り抜いた後の)バットが(体の近くに)かえってきちゃう。走りだす時に(一塁側へ)ちょっと持って行ってから、離すというのが僕に合っている」と振り返った。

〝失敗〟は許されないパフォーマンス
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一連の動作は完璧に見えたが、実は一抹の不安もあったという。
「打球がライナーだったので、ちょっと判断の時間が必要でした。打った瞬間、確信はありましたけど一応、あそこからフェン直だったら怖いので。最悪の事態を避けないといけない。格好付けてレフトフライが一番ダメ(笑)」と細心の注意を怠らなかった。
11日のCSファーストステージ第1戦で本塁打を放ち、バットフリップを披露する郡司
目に焼き付いているあのスラッガーの姿
ホームラン、バットフリップで脚光を浴びるシーンは、プロに入るずっと前から思い描いていた。理想形がある。
「小っちゃい頃に一番、憧れたのは小久保さん(現ソフトバンク監督)。打ち終わって、サード方向にぶん投げてクルクルさせる。片手の時もあるし、両手で投げる時もある。打ち終わりで一塁側に戻さず、そのままサード側に放るパターンが格好良くて。僕にはそれができない」
何事も不断の努力が大事
相手に対して挑発的にならないよう気を使いながら、チームを鼓舞し、ファンを喜ばせるために繰り出す。勝利につながる一発が絶対条件で、展開や場面は限られる。
ただ、イメージを膨らませていたとしても、とっさの場面できれいに決められるものなのか―。そんな疑問に対して郡司は「いやいや、バットフリップの練習はしていましたよ。室内のバッティング練習場で最後の1球を打った時に、バットを投げて終わっています、いつも」とニヤリ。いつ訪れるか分からない劇的なシーンに備え、こっそり準備していた。
11日のCSファーストステージ第1戦、ソロ本塁打を放ち、チームメートとハイタッチを交わす郡司
改良バージョンも近日公開!?
チャンスは大好物で「常に目立ちたいタイプ」と自認する。現状に満足せず「今後はバリエーションを増やしたい。いつか、歩きたいですね。それには角度が必要ですけど。間違いない打球じゃないといけないので」と次の展開を想像する。
遠くに飛ばすパワー、大一番の勝負強さなど、スラッガーの資質は持ち合わせている。さらに難度が高い大技はいつ見られるか、注目だ。