郡司裕也 2年連続100安打到達「監督にはつくづく恵まれている」 〝上司ガチャ〟の引きはSSR級?
三回、今季100安打目となる内野安打で出塁する郡司(左)=撮影・井上浩明
■パ・リーグ24回戦 日本ハム2-3ソフトバンク(9月18日、みずほペイペイドーム)
3安打猛打賞で一気に節目クリア
日本ハムの郡司裕也捕手(27)が3安打をマークし、2年連続でシーズン100安打をクリアした。
中日時代は在籍3年半で24安打にとどまっていたが、ファイターズ移籍を転機にブレーク。主力として成長を遂げられた理由に、アマチュア時代からお世話になってきた歴代指導者の存在を挙げた。
三回、今季100安打目となる内野安打で出塁した郡司(左)=撮影・小田岳史
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新庄監督へ感謝しきり
目標の一つだった100安打を有言実行で達成した。現在、日本ハムで到達しているのは清宮幸、レイエスだけ。加入3年目で主力の地位を確立している。
プロ入り当初の下積み時代を振り返った郡司は「使いづらかった選手だと思う。特にセ・リーグだと。パ・リーグに来て新庄剛志という型にとらわれない監督と出会ったことが一番。技術的にいきなり変わったということはないです。試合に出られる環境があり、使いづらい選手をボスが無理やり使ってくれた」と飛躍の要因に触れた。
2024年2月13日、春季キャンプで左翼の守備位置に就いた郡司(左)が新庄監督のマンツーマン指導を受ける
大きな転機となったトレード移籍
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慶大から中日に入団。即戦力捕手として期待されながら、出場機会を得られずに苦しんだ。ただ、その時間も決してムダではなかった。
「ドラゴンズでの経験があったからこそ、どうやったら使われるか分かってきました。あとはトレードという事実。僕はもう100対0でスーパーポジティブ人間なので、いい意味で吹っ切れた。結果を出さないと出さないと、という気持ちから、準備だけしっかりして、あとはなるようになれと」
独創的なボスのタクト
心機一転のトレードが決まり、新しい風が吹いた。師事することになった指揮官が「捕手」という枠をいい意味で壊し、無限の可能性が広がる世界へ、連れ出してくれた。
豊かな発想は刺激的で「僕を最大限に生かしてくれた。サードで使うとか、いろんなポジションをやらせるとか。ほかの監督さんは絶対にやらない(笑)。今までの僕を知っている人だったら、サードで使うとか絶対に思わない」と断言した。
8月3日のオリックス戦、三塁の守備練習中に新庄監督(右)と話す郡司
野球人生に影響を与えた名将たち
ある意味、運も味方に付けたのかもしれない。郡司のそばにはいつも、寄り添ってくれる指導者がいた。
「感謝したい人はいっぱいいますけど、監督にはアマチュア時代からつくづく恵まれている」と自認する。仙台育英高の佐々木順一朗監督、慶大の大久保秀昭監督、中日の与田剛監督、立浪和義監督、そして新庄監督。
恩師から吸収してきたことが血肉となり、強くなった。「キャラがすごい濃くて、色がはっきりしている方たち。野球人としての考え方とか、いろんな学びがあります。上司ガチャはすごくいいと思う(笑)。無難な監督があまりいなかった。皆さん、どこか突出したものがある。監督とはそういう方がなるのかもしれないですけど、印象の薄い監督がいなかった」
偶然と必然が絡み合った出会いにより、野球人生は大きく変わった。
2024年2月6日、春季キャンプの打撃練習中、新庄監督(左)と話す郡司