田宮裕涼 鎌ケ谷で感じた変化「もう、おじさんになってきている」 後輩に自ら話しかける理由は
四回1死一、三塁、左犠飛を放つ田宮=撮影・松本奈央
■2025 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルS第5戦 日本ハム7-1ソフトバンク(10月19日、みずほペイペイドーム)
大一番で打って守ってハイパフォーマンス
日本ハムの田宮裕涼捕手(25)が犠飛とスクイズで2打点を挙げ、崖っぷちからの3連勝を呼び込んだ。守備でも、先発・古林の好投を引き出し、点差が開いても後続の投手陣を丁寧にリードした。
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「(スクイズは)本当に気持ちでいきました。1球目はちょっとサード側に狙いすぎちゃって良くなかったので、もう気持ちで前に転がそうと、いきました。(2球連続のスクイズ指示も)予想はしていたので、全然びっくりしなかったです。もう1点1点が勝負になってくるので、ヒットは打っていないですけど、打点をしっかり2つ挙げられたのは良かったかなと思います。(古林は)短いイニングと言われていたので、いろいろなボールを使って、相手に的を絞らせないように。そして古林の良い真っすぐをうまく使っていくというのをやっていった結果、長いイニングを投げられたので、それは良かったかなと思います。その後も、ホークス打線はつながったら、すごくつながると思っているので、点差が離れても、僅差のイメージでずっと守っていました」
古林(左)と会話する田宮=撮影・岩崎勝
積み重ねてきたキャリアは誇れるが…
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今季、田宮は打撃不振で、5月19日から6月12日まで2軍で過ごした。若手が多い鎌ケ谷に戻り、高卒7年目捕手は「もう、おじさんになってきている」と自覚した。
「本当に、おじさんになってきているんで(笑)。もう7年目で、僕が入った時の7年目の人なんて、(現ソフトバンクの)近藤さんとか、それぐらいの人たちだった。もう本当に、すごい年上で先輩って感じがしていたので、僕から気安く話しかけられるような感じじゃなかったんです」
後輩思いの気遣いは自身の経験から
1軍で試合に出ている年上の先輩に対しても、気軽にコミュニケーションを取れる選手もいる。ただ、田宮は自身がそうではなかったからこそ、自分から積極的に年下の選手と言葉を交わすように意識した。
「しゃべることができなかった経験があるので。やっぱり普通にしゃべれる子もいると思うんですけど、例えばルーキーの子たちの中には、先輩にしゃべりかけるって、勇気がいる子もいると思う。なので、やっぱり自分から話しかけることによって、しゃべってくれるかな?とか、思ったりもするんで。比較的、みんなとしゃべれるようにはしています」

もちろん職業意識も存在
後輩に話しかけるのは、先輩としての心遣いでもあるが、捕手としての〝仕事〟でもある。
「たぶん、僕はそんなに絡みづらいキャラでもないと思うので、僕からしゃべることによって、より一層、みんなもしゃべりやすいと思う。ピッチャーだったらなおさら、投げる時とか、何か言いたいこととかが言えなかったら、ちょっとアレだなと思うので、そこは言ってもらうためにも、常になんでも話して、言ってもらえるような関係に、少しでもなれたらなと思います」
ルーキー左腕の対応には「??」
2軍にいた期間で、後輩たちとの距離は確実に縮まった。
「みんなとしゃべるんですけど、左のルーキーの藤田(琉)が最近、あいさつをしてくる時に、僕があいさつを返すと、なんかニコニコしていますね(笑)。なんか、なんでか分からないですけど、1回、試合で組んだ後から、僕の返しが面白いのか分からないですけど、あいさつを返した後に、すごい笑ってくるので、どうしたのかなって(笑)」
まだまだ続く日本一への道
チームは3連勝で、20日の第6戦に勝った方が日本シリーズ進出を決める。「もう勝つだけだと思うので、全力で出し切るだけだなと思います」
先輩にかわいがられ、同期と仲が良く、後輩には慕われる背番号64は、みんなで笑う歓喜の瞬間を待ちわびている。
五回1死二、三塁、スクイズを決める田宮