伏見寅威 「正直、緊張した」今CS初スタメン 「めちゃめちゃ声をかけてくれた」と感謝するのは
今CSで初めてスタメンマスクをかぶった伏見=撮影・松本奈央
■2025 パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルS第4戦 日本ハム9-3ソフトバンク(10月18日、みずほペイペイドーム)
ベテラン捕手が攻守で勝利に貢献
日本ハムの伏見寅威捕手(35)が今CS(クライマックスシリーズ)初のスタメンマスクで、チームの勝利に貢献した。先発の北山ら投手陣を好リード。打っては4点リードの五回に三塁打をマークし、貴重な追加点を演出した。
五回1死、三塁打を放つ伏見(右)=撮影・宮永春希
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決して絶好調ではなかった北山を粘り強く支え続けた。一、三、五回にそれぞれ1点ずつを奪われたが、「最少失点で抑えられたことが勝ちに結び付いたと思います」と、巧みな配球でビッグイニングはつくらせなかった。
短期決戦バージョンのインサイドワーク
チームが置かれた状況を冷静に理解し、明確な狙いを持ってサインを出した。
「短期決戦で先がないので、北山には球数を使ってでも最少失点に抑えてほしいと思っていました。いつもだったら、球数少なくとか、長いイニングをとか思うんですけど、きょうに関しては3回、4回で100球いってもいいと、自分の中では思って、できるだけ痛い目に遭わないようにと意識しました」
北山(左)に声をかける伏見=撮影・岩崎勝
頼りになるのはやはりチームメート
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CSファーストステージは、出場選手登録されないまま、チームに帯同していた。前日17日の同ファイナルステージ3戦目にようやく登録され、九回に代打で途中出場。ただ、公式戦の先発は9月20日のロッテ戦以来、約1カ月ぶりだった。「正直、緊張はすごくしたし、不安がかなり強い試合でした」と本音を明かす。
ただ、チームメートたちを見渡しているうちに不安は消えていった。「みんなの頼もしさ、周りの雰囲気が良かったですし、自分だけそういうふうになっているのは良くないなと思って、自分にできることをやりたいと思いました」と〝チームを勝たせること〟に集中した。
そしてスタッフも
野手最年長を支えたのは、普段は陰にいる人たちだった。
「ブルペンキャッチャーの人だったり、裏方さんが、僕がきょうスタメンということを知って、めちゃくちゃ声をかけてくれました。『絶対、いい日になるから頑張れ』と言ってくれて、いろんな人に支えられているんだなと感じました」。心を軽くしてくれた声がけを意気に感じ、はつらつとしたプレーで恩返しした。

逆転突破へ 「メンタル的にいい位置に来た」
負けたら終わりの崖っぷちには変わりないが、2連勝で局面は変わった。「連敗して、あと4つ勝つしかないところで、かなり不利な位置にいたんですけど、きのう勝って、きょうがすごく大事だと思っていました。きょう、こういう勝ち方をしたことで、今度は相手にプレッシャーがかかるゲームになるので。ここで、やっとメンタル的にいい位置に来たなって。相手の焦りと、こっちの勢いと、やっと五分くらいになってきたなって。あとは勢いで、2つ勝つだけですね」
重要な場面になればなるほど、頼もしさを発揮する35歳。その目は、逆転突破をしっかりと捉えていた。