ファイターズ
《ハム番24時》10月18日

後輩たちを上回る圧巻のパフォーマンスだった。17日のCSファイナルステージ第3戦に先発した伊藤は8回無失点、11奪三振の快投で、チームに1勝目をもたらした。前日には福島が八回途中2失点、10奪三振、前々日は達が6回無失点、6奪三振と奮闘していたが、「彼らより長いイニング、彼らより多い三振を絶対、取ろうと思ってマウンドに上がりました。上回れたので良かったです」とエースの貫禄を見せつけた。
実は、伊藤は2人の登板前に「結構、あおっていた」という。その分、自身の登板時には〝仕返し〟が来た。「しっかり、あおられながらマウンドに向かいました。なんか(達と福島は)『僕ら抑えましたよ』みたいな雰囲気だったので(笑)。頑張るわって」。後輩たちのあおり返しに、圧倒的なピッチングで応えたのは、さすがとしか言いようがない。
一夜明け、達に真相を聞いてみた。「僕は、全然あおっていないんですよ。たぶん、福島です(笑)。だって、僕はもう一戦あるかもしれないので、あおれないですよ」。すでに登録を抹消された福島とは違い、達は同ステージで再登板する可能性がある。伊藤の投球は大いに刺激になったようで、「すげーっす」と短い言葉に実感を込めた。投手陣を引っ張る背番号17の存在が、次のエースを育てていくのかもしれない。