ファイターズ
《ハム番24時》10月10日

いよいよ、11日からクライマックスシリーズ(CS)が始まる。ファイナルステージまで見据えるなら、達、福島、柴田ら若い投手陣が鍵を握りそうだ。
チームには「失敗」を経験した人がいる。2014年、ルーキーながらソフトバンクとのCSファイナル初戦の先発を任された浦野2軍投手コーチは〝あの日〟のことを「後悔しかないです。今でも悔しいです。野球人生の中で、どこかに戻れるなら、一番あの時に戻りたい」と、11年たった今でも苦々しく振り返った。
八回まで、強力鷹打線を1失点に抑えていた。ただ、1点リードで迎えた九回は「ガラッと雰囲気が変わっていました」と、マウンドで異様な空気を感じていたという。先頭のイ・デホに四球を出し「あれで、球場の空気が一気に、さらにブワーって来たんです。そのあと、松田さんにエンドランを決められて、(一、三塁で)交代しました。球場の空気に、のまれましたね」。その後、チームは逆転サヨナラ負けを喫し、最終的には日本シリーズ進出を逃した。
「あの年は、稲葉さんと金子誠さんが引退する年でもありました。(当時監督を務めた)栗山さんからは、もし日本シリーズに行っていたら、初戦(の先発)は僕だったと言われて、余計に悔しさが残りました」
今の選手たちには、同じ失敗をしてほしくないと願っている。ただ、心配はしていない。「でもね、今の選手たちってすごくレベルが高いですし、考え方もしっかりしているので、僕が言うことはないんですよ。僕なんかとは、レベルが違いますから。達も、福島も、柴田も、いつも通りにやってくれれば、大丈夫。力は間違いなくあるので。僕は楽しみにしています」。後輩たちの快投が、浦野コーチの悔しさを少し、晴らしてくれたら良いなと思う。