梅林優貴 今井後遺症から脱却「ベッツがいいきっかけをくれました」〝すずうめ〟の近況は…
途中出場で2打数2安打と躍動した梅林(中央)=撮影・近藤裕介
■みやざきフェニックス・リーグ 日本独立リーグ選抜2-8日本ハム(10月8日、アイビー)
日本ハムの梅林優貴捕手(27)が、ポストシーズン期間中の1軍再昇格を期し、みやざきフェニックスリーグで汗を流している。この日は七回から代打で出場し、左中間フェンス直撃の二塁打を含む2打数2安打と躍動した。
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「(フェニックス開幕からの)2日間、マジで(打撃が)良くなくて。最近の横からの映像を見られていなかったので、試合前のバッティング(練習)で横映像を撮って、(問題点は)ここかなってところがあったので、そこを修正しました。きょう打席に立つかは聞いていなくて、立てたら良いなと思っていたら、代打で出られてそれを試せて、そのまま良い結果が出て良かったです」
途中出場で打席に立つ梅林
ベッツと3日間の合同自主トレも
今オフ、メジャーMVP受賞経験者のムーキー・ベッツ(ドジャース)と奇跡的に、3日間の合同自主トレを行った。教えを受けた〝ベッツ打法〟で、2軍では打率.308をマークした。
ただ、日本のトップレベルには通用しなかった。8月に今季初昇格し、最初に対戦した投手が、西武のエース・今井だった。156キロの直球と、キレが尋常ではないスライダーに手も足も出ず、3打席立って3三振。結局、1軍では5打席快音を鳴らせず、出場2試合で登録を抹消された。
鎌ケ谷に戻っても〝今井の残像〟は消えず、不調に陥った。
今オフ、ベッツ(右)と会食し、記念撮影する梅林=本人提供
今井の速球とスライダーが残像に
「今井と対戦して、これはダメだなと、このままじゃダメだってすごく思ったんです。あの時の156キロと、あのスライダーを打つために、どうやって練習したらいいかなって、そこからずっと考えすぎて、(どつぼに)ハマってしまった。自分にプレッシャーをかけながら練習していたのが、また悪かった。8月から9月にかけて、結構、ハマっていましたね」
春季キャンプ中、何度も打撃に悩み、そのたびにベッツ打法との決別を繰り返した。それでも開幕前には「もう決ベッツ(決別)しない」と、フォームを固めたはずだった。
「シーズン中って、結構考え方が変わっちゃうんですよね。僕も今年、成績は関係なく、良いスイングをしに打席に入ろうってずっと思って入っていたんですけど、やっぱり人の成績も気になっちゃいますし、相手ピッチャーのことも気にしちゃいますし。(状態が)悪くなったら、そうなってしまう」
9月に再びベッツからアドバイスが…
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どうすれば、迷いを消せるのか。頼れるのは、やはり師匠だ。9月に入ってから、「もう一回、ベッツに連絡して、自分の動画を送って、見てもらいました」と助言を仰いだ。ベッツからは「スイングは良いから、タイミングとか、考え方だけだと思うよ」と返事が届いた。
好調時と不調時の打撃を動作解析にかけた結果も、ベッツのアドバイス通りだった。「意外にスイング(の数値)は変わっていなくて、(違いは)タイミングだけだったんです」。データにも背中を押され、吹っ切れた。
「ベッツに連絡してから、本当に良くなった感じがあります。今年、手探りで始めた打ち方でしたけど、シーズン最後の方は結構、自分の形になっていたと思う。いいきっかけをベッツがくれました。今井の残像が、ちょっと抜けてきました(笑)」
七回に代打で二塁打を放つ梅林
仲の良い鈴木の動向を逐一チェック
チームを離れても、気になる存在がいる。同期入団で今季から広島に活躍の場を移した鈴木健矢だ。チームメートだった頃から気の置けない間柄だったが、今でも連絡を取り合っている。梅林は「目につくだけで、気にしていないです」と関心を否定しつつも、「先週も連絡を取りましたけど、(記事に)載せられる内容じゃないです(笑)」と仲の良さをうかがわせた。
実際には互いに、動向を逐一チェックし合っている。「僕はあいつ(鈴木)のピッチング映像とかもたまに見ています。試合で結構、良いところで投げて、ひょいひょい抑えてますよね。すごい良いなって思いますけど、それは連絡しないです。そんなの送ったら、あいつ調子に乗っちゃうので(笑)。打たれたときだけ送りたいんですけど、打たれないんですよ、あんまり。あいつも意外と、僕が1軍に上がったときとか、抹消されたときとか、連絡してきますね。『(抹消されるのが)早くね?』みたいなLINEをすぐ、当日ぐらいにくれたりしました」。
まだ対戦機会はないが、来年マツダスタジアムで開催される交流戦での初対決を狙っている。「健矢のクセは全部分かっているので、打席に立てたらいいなと思いますね」と不敵な笑みを浮かべた。
調子が良ければボスは見ていてくれる
もちろん、今は来季よりもまず、CS、日本シリーズ出場がターゲット。2軍の公式戦は出場機会が限られていたが、フェニックスリーグはフル回転の予定で「上手くなるには、試合に出るしかない。フェニックスでも僕の調子が良くて、あいつ打っているなとなって、ボス(新庄監督)に少しでも気にしてもらえたら。打っていたら目に入ると思うので、アピールします」と意気込んだ。人事を尽くして、1軍からの吉報を待つ。

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