レギュラーシーズン総括
日本ハムの北山亘基投手(26)が8日、エスコンフィールド北海道で報道陣の取材に応じ、レギュラーシーズンを総括した。また、この日「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本 vs 韓国」(11月15、16日、東京ドーム)の代表に選出され、喜びと決意を表した。一問一答は以下の通り。
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―レギュラーシーズンを終えて
「昨シーズンは途中でけがをしてしまい、悔しい出来事があった上で今年に臨んで。1年間けがなく、最後まで投げ切れて最低限のところ、去年の課題だったところをクリアできたので、そこは良かったです。規定イニングも初めて先発として(クリア)。フルで貢献できたということで自信も付きました。中継ぎから先発に転向してやってきた取り組みが一つの成果として表れたので、充実したシーズンになったのかなと思っています」
―防御率はタイトルを争い、リーグ2位に
「あとちょっとの差というか。終わってしまえば、もうちょっと頑張っておけば、という部分もありましたけど、そこの差は大きな実力の差だと思うので。悔しい気持ちを忘れず、オフに取り組んで、また来シーズンのキャンプインに向けて、やっていきたいなという気持ちもすでに湧いてきています。どういう取り組みをしようか、考え始めて。来年に向けてワクワクするような気持ちもあるので、1位を取れなかった悔しさがあり、それもいい経験になったので次にしっかりつなげていきたいです」

―勝ち星は2ケタまであと一つだった
「そこは最後に達成したかったですし、素直に決めきれなかったのは悔しい部分ですけど、不可抗力な面もあるので。より自分の実力が反映されるという点では、イニングと防御率。そこが僕の設定していた目標はクリアできて、一つ良かったです。来季に向けて勝ちきる投手になりたいと思っていて、そういう意味では、勝負どころの1球だったり、流れを引き寄せる大事な1イニングだったり、もう一歩の詰めというのは、技術的にも精神的にもまだまだ課題があるなと感じたシーズンだったので、合わせて課題をつぶしていけたら、来季はもっと勝ちにつながると思う」
―4完投も光った
「前半、僕の場合は中8日、中10日だったり、間が空いてリフレッシュしやすい、疲れがたまりにくい起用だったので、完投をたくさんできたと思う。後半、中6日になってなかなか完投がなくなってきたので、来季に向けた課題として、中6日で1年間回る中で長いイニングを投げられるピッチャーになっていきたい」
―球宴前までに6勝4完投。前半戦で印象的なゲームは
「ジャイアンツ戦、ノーヒットノーランまであと一つもそうですが、それよりもエスコンで投げたヤクルト戦の方が実感があるというか。中継ぎで3年前、神宮でやられた経験があった中で、先発に転向して初回から任せてもらい、ああやって試合をつくった上で持ち味の三振もしっかりと取れた内容でした。この3年間の取り組みが一つ、形になったという実感がありました。個人的にはヤクルト戦で、3年前の借りというか、成長した姿を見せたいという気持ちを出せたので、いい試合だったなと思います」
6月12日のヤクルトとの交流戦で8回5安打1失点と好投して勝利を挙げた北山
―夏場に背番号変更もあった
「まさかシーズン中になるとは思っていなかったですし、何番というよりも、シーズン中にもかかわらず、新庄監督が僕のためにいい番号があるんじゃないかと、動いてくださった経緯がうれしかったです。その中で、新庄監督から好きな1が入った10番台をあげたいと直接、言ってもらい、付けさせてもらいました。今はすごく気に入っていますし、投げながらありがたいことだなとつくづく感じます。今後、自分の番号として定着させられるように頑張っていきたい」
8月6日の西武戦、背番号15に変更した北山がマウンドに向かう
―最後まで緊張感のある優勝争いが続いた。後半戦を振り返って
「昨シーズンに比べて、より主戦の立場というか、大事な場面、カード頭で起用していただく機会が増えて、精神的にも体力的にもタフなシチュエーションが増えました。そういうところで投げさせてもらう喜びと同時に、責任感が増しますし、経験をさせてもらって僕自身、強くなったと思います。まだまだ課題を感じる部分もたくさんあったので、経験を糧にしてもっと成長できたらと思います」
―ホークスとの9月の直接対決は印象に残る試合だったか
「そこで負けてしまうと優勝は厳しいという気持ちで死ぬ気で臨みました。口で言うのは簡単ですけど、それぐらいの気持ちで臨んだ試合だったので、結果として負けてしまいましたけど、最低限、試合をつくって中継ぎにつなげることはできました。緊張感がある中で投げられて、力は付いてきたのかなと思っているので、そこは一つ良かった部分かなと思います」
9月18日のソフトバンク戦に先発し、七回途中4安打1失点と力投した北山
―今季、得た収穫、手応えは
「1年間投げた中で、防御率1点台で終えることができて自信になりました。(これまで)先発として1年やり切ったとこはなかったので。やってみないと分からないことがたくさんあって、後半の疲れの部分、ケアの部分だったり、自分の中でノウハウというか、知恵を出しながら形をつくっていけた部分もあったので、そこは大きいんじゃないかなと。今後、そうした経験が、しんどい場面やうまくいかない場面で生きてくるんじゃないかなと思っています」
―優勝に対する思いは
「去年2位までいかせてもらったことで、優勝したいという気持ちになりました。あと1歩届かないもどかしさもありますが、その一歩が大きな力の差に感じました。どうすればホークスに近づき、追い越せるのかとたくさん考えて。自分にできることは限られるので、できる範囲でどう成長すれば、チームに貢献できるのかと考えて。昨オフからやってきて、着実に個人としてもそうですし、チームとしても力の差は縮まっていると感じるシーズンでした。紙一重で届かない差は、紙一重のようでまだ紙一重ではないんじゃないかなと個人的に思います。もっと力を付けて、僅差で勝つというより、圧倒していけるぐらいの力をみんなが付けていけば、その目標は達成するんじゃないかなと思う。そこに向けておのおのが感じる課題に取り組んでいけたら」
―紙一重の差というのは、具体的にどこで感じるか
「より緊張感の高いシチュエーションで、投手ならゼロに抑えられるか。打者だったらこの1本で決めなければいけない場面で、1点を取れるか。土壇場、大事な場面での集中力。結果を出していく能力というか。そこは詰めていける部分はみんな、あると思うので。僕自身もこの1アウトに取れば、流れが来るという場面だったり、この1球、そこに投げきれば抑えきれる、というシチュエーションが多々あるので。その1球で決めきれる技術と体と精神力をもっともっと高めていきたい」
―日本一に向けた戦いが始まる。CSのイメージは
「去年、初めて投げさせてもらって。チームは負け、勝ちときて、負けたら終わりのシチュエーションで。プロ野球で負けたらその日に終わるという高校野球みたいな感じは、なかなか経験できないことですし。ましてファンの方がすごく期待してくださっている。前日、万波のホームランで勝った試合からの流れで、余計に負けられないという気持ちもありました。レギュラーシーズンとは違った緊張感があった中で投げさせてもらいました。この緊張感は何回経験しても変わらないなと思いますけど、1度経験して心強さもありますし、当時感じた気持ちを思い出しながら準備できると思うので、去年よりは準備しやすいと思います」
24年10月14日、CSファーストステージのロッテ戦で先発した北山
―どんなプレーをしたいか
「シーズン後半まで集中力が必要な試合が多く、みんな成長できたと思います。僕自身もファンの方が集中して気合を入れて応援してくださると思うので、その期待に応えられるように。みんなが僕の投げた1球、取った三振で球場が盛り上がるシチュエーションで活躍して、楽しい気持ちで帰ってもらえるように。そういう試合を見せられたらと思います」
―新庄監督として歩んできた4年目。どう締めくくりたいか
「ここまでいろいろしてくださっている新庄監督に対して、優勝して最後にいい形で集大成を飾りたいというか。僕自身の気持ちもそうですけど、いい形で締めくくってもらいたい。4年間の経験をしっかり結果として見せていきたい」
6月18日、交流戦の巨人戦前日に新庄監督(右)に帽子のつばを曲げられる北山
―お立ち台でさいこうきと叫ぶシーンを期待していいか
「でも(解禁は)リーグ優勝のつもりで(笑)。1年間やって優勝したかったですし、そこを目標にイメージしていたんですけど…もしかしたら出ないかもしれないです。もし勝ち上がって日本一になったらそれはそれでうれしいことですけど、新庄監督が言っている通り、リーグ優勝が一番だと思う。それができたときがいいのかなと思います」
―練習中に新庄監督と会話していたが、内容を言える範囲で
「言えないです。CSファーストステージのことに関してですね。ピッチャーのことでどう思う? と聞かれることがあって、僕はこう思います、とお伝えしました」
―体調管理などで工夫したことは
「過去3年間、いろんな経験をして先発として1年間、回るためにどうしたらいいかと、事前に想像して、たくさん準備してきました。いろんな予防線を張るというか。治療、ケアにしても日常生活にしても。全部をきちきちにやる必要はないですけど、抑えておくべきポイントを精査して形を作って臨んだ今年でした。それが全部はまったというか。一番はケア。年数を重ねて、経験も積ませてもらって実力はついてきていると思うんですけど、実力を安定して出すということが次は大事になってくる。そのために、コンディション管理にお金も時間もかけてやったので。ある意味で先行投資。それが結果として全部返ってきたかなと思います」
―コンディション管理で変えたことは
「自分でやるエクササイズ、トレーニングは抜け目なくやってきていますけど、プラス人の手を借りる必要もあります。登板後の治療は、チームトレーナーさんにお願いする部分もあり、外部の個人的に信頼している方にお願いする部分もあります。外部の方にお金を払い、ケアをお願いする機会を今年は増やしました。目先の課題と、1年かけてどう成長していきたいかという相談をしながら調整できたので良かったです」

―どのくらいの頻度で外部の方を頼ったのか
「確実に1週間に1回は何時間かかけて治療をやっています。遠征先にお願いして呼ぶこともあります。いろんな選択肢があるので、考えながらチョイスしながら、いろいろやっていました」
―個人契約という形だったのか
「定額というよりは、1回の治療でいくらという感じにはなります。かなり協力的にやってもらいましたし、僕の意気込みを伝えた上で全力でバックアップしてくれる状況をつくってくれたので、すごく感謝しています。プロとしてお願いする以上、対価としてお金を払う必要があるので、そこは惜しみなくお願いしました」
―やってみて疲れを感じた部分は
「あまり言いすぎるとライバルが(笑)。シンプルに筋肉が張ったとか、肩肘が張ったみたいな疲れというより、一番は自律神経が乱れてくる。デーゲーム、ナイターが入り組んでくる。寝る時間、起きる時間が変わってきて。食事のタイミングも変化します。体内時計も崩れてきますし、ナイターでアドレナリン全開で投げてなかなか寝つけなかったり。そういうことも多々ある。どうやったら早く入眠できるか、できなくても、次の日からどういうふうに帳尻を合わせていくか。そういうノウハウ、引き出しはかなり増えたと思う。どの選手にも言えることかと思うんですけど、そこが一番大事かなと思います」
―侍ジャパンに選ばれてどんな気持ちか
「今後、僕の成長曲線のイメージで、世界で活躍できるレベルの選手になっていきたいという思いがあります。来季の3月のWBCというのは、プロに入って1年目、2年目のタイミングで見据えてやっていました。そこに近づけているというのは、これまでの道すじが合っていたのかなと。ただ、11月に選ばれたからと言って、3月は何も決まっていないと思うので、しっかりアピールして本戦に呼んでもらえるように準備をしていきたい。11月がないと3月もないと思うので、そこに入れたのは第一関門突破というか。気は引き締まって、また頑張っていきたいなと思います」
24年のプレミア12に出場した北山
―一番アピールしたいところは
「前回、プレミア12に選んでもらって第2先発として入らせてもらって、いろんなシチュエーションで投げさせてもらいました。イニングまたぎもしましたし、クローザーのタイミングで出たこともありました。国際大会で臨機応変な状況で対応できると多少はアピールできたと思うので、一個レベルの上がる大会でも発揮できるような、そのための準備は今年やってきたつもりです。実力も付けて先発として回れましたし、プレミア当時の僕よりもスケールアップした状態で臨めると思います」
―先発、中継ぎ問わずに取り組みたいか
「もうどこでも。選んでもらったポジションで全力を出せるようにしたいです。何でもしますという気持ちでいきたい」
―10月、11月と緊張感のある試合が続く
「ある意味、幸せなことだと思います。試合前に緊張して、なんでこんな仕事をしているんだろうとたまに思うこともありますけど(笑)。でもそれでしか得られない達成感、喜びは何事にも代えられないものだと思う。それを感じられる職業に就けるのは幸せですし、任せてもらえる立場になってきたのはありがたい。しんどいですけど、やりがいのある期間だと思うのでかみしめながらやっていきたい」
―侍を経験したからこそ、成長できた部分は
「NPBで全員が選ばれるものではない。WBCの方が注目度は高いですけど、プレミアの大会とはいえ、トップチームの中でプレーできて自信になりました。プロ野球界の中で認めてもらえた感覚もして、今までやってきたことが形になった感覚もありました。より自信を付けて、もっと頑張っていこうと思えた経験でした」
―意識が変化したか
「レベルの高いチームメートと一緒にやりましたし、海外のレベルの高い選手と対戦して、この中でもっと飛び抜けていきたい、もっと活躍できる選手になりたい、という気持ちがかなり芽生えたので。そういう景色を見ないと、イメージだけでは難しい。実際にその場に立って感じることがあったので、すごくいい経験でした」

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