【一問一答】伊藤大海 独自のメソッドを確立「挑戦してみたい人が他球団にいたら、ぜひ直接、連絡してください」
レギュラーシーズンの総括、ポストシーズンへの意気込みなどを語った伊藤=撮影・桜田史宏
エースの役割を果たしたレギュラーシーズン
日本ハムの伊藤大海投手(28)が7日、報道陣の取材に応じ、レギュラーシーズンの総括、ポストシーズンへの意気込みなどを語った。プロ5年目の今季は先発陣の柱として、27試合に登板し、14勝8敗、防御率2.52。2年連続でリーグ最多勝に輝き、自身初となる最多奪三振のタイトルも獲得した。会見での一問一答は以下の通り。
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―2025年シーズンを振り返って
「去年より悔しいシーズンだったかなと思います」
―悔しさはどのあたりで感じているか
「去年は(リーグ優勝したソフトバンクと)かなりなゲーム差もあったんですけど、今年の方が届きそうで届かなかったという印象なので、あの1球がとか、あの1敗がとかっていうのが今年の方が強く感じるかなと思います」
―プレーしていて感じた差は
「難しいですけど、ここぞで取りきれなかったとか、小さい差ではあったと思うんですけど、それが大きな結果につながってしまったので。こうやりきれていない悔しさというか、そんな感じですね」
―2年連続の最多勝、最多奪三振と投手2冠。成績はどう感じている
「それも去年の方がうれしかったというか、それ以上の、チームとしてのタイトルが欲しかったというのが正直なところなので。もちろん光栄なことではありますけど、あまりそこに対してうれしさはないかなと思います」

―ピッチングを振り返って。今年はストレートの割合が多く、球速も平均150キロ出ていた
「ストレートに対してのこだわりはありますし、ボス(新庄監督)も監督になってからずっと四球のことは言っていたので、自分の中の打開策としてゾーンの中で勝負できるっていうところに着目していた。それが空振りが取れる、ファウルが取れるストレートがあっての変化球だなと僕はたどり着いたので。それをこう、自分でこうイメージしていた部分だったので、今年の目標というか自分の設定で、三振180個以上と四球30個以内と考えていたので、そういうところを体現できたのは良かったです」
―奪三振(195個)、投球イニング(196回⅔)とキャリアハイ。シーズン通してここはできた、この数字は伸ばしたいというところは
「さっきの話と矛盾はするんですけど、ゾーンの中で勝負していく中で被本塁打が多かったのが反省点としてありますし、逆にそれが致命的な失点になったり、防御率の悪化にもつながった。そこはこの後のCS(クライマックス・シリーズ)を含めて課題にあると思うので、考えながら取り組んでいきたいなと思います」

―15勝は意識していた
「もちろん達成したかったですし、去年の自分自身の数字を超えられなかったというところで悔しい思いはありますね」
―ソフトバンクのモイネロ投手との投げ合いが多かった。エース級と投げ合うことへの覚悟
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「モイネロ投手、何回やりました? 6回? 27登板中の6回なので、やっぱりそういうのも考えると、個人的な数字っていうのはあまり意識してもしょうがないというか。どうしようもない部分は出てくるので。そういったところで数字以上に勝ち星というのを僕はこだわっているので、そこの対戦を全部、勝っていたらと、もちろん思いますし。来年は負けない投手をこだわっていきたいなと思います」
―レギュラーシーズン終了後、新庄監督の続投が発表された
「それはすごくうれしかったというか、選手としてチームとして監督との約束は果たせていないので。ボスには優勝しか似合わないので、必ず優勝して胴上げしたいですね」
8月17日の楽天戦、12勝目を挙げた伊藤(右)に声をかける新庄監督
―新庄監督も「大海だけは(シーズン通して)投げさせる」と話していた
「全て(期待に)応えられたかっていうと、決してそうではなかったシーズン。言葉が難しいですけど、来シーズンはそれ以上の成績でチームに貢献できるようにしっかりやっていきたいです」
―昨季はエスコンで行われたCSファーストステージで登板がなかった
「短期決戦で負けられない状況が続きますけど、一戦一戦、目の前の勝ちに対してどう取り組んでいくかだと思う。1位で通過したわけではないですし、そこは気持ち的に、なんて言って良いか分からないですけど、ガッと入りすぎずに楽しんだ中でチームとしての姿を見せられたらなと思います」
―ポストシーズンでのホーム・エスコンはまた違った雰囲気
「1戦目、取れるか取れないかがすごく大事なので、まず初戦、取れるようにしっかりやっていきたいです」
―ファーストステージで投げるなら、オリックスが相手になる。印象は
「打線もいいですし、投手陣もいいですし、後ろにかけてピッチャーも強くなっていくっていうそういうチームだと思う。先発の役割としては勝った状態で後ろにつなぐ、あるいは1人で投げ抜くというゲームをしていかないと優位に立てない。先発がかなりキーになってくると思う」

―オリックスに勝てば、ファイナルステージでソフトバンクが待っている
「もちろん戦いたい気持ちはありますし、でも先ばかり見てもしょうがないので、一戦一戦、チーム全員で勝ち取っていかなければいけない。またその先に見えてくるものはあるかなと思ってます」
―CSは1球、1試合が大事。意気込みを
「悔しい思いは十分してきたので、勝つ喜びを分かち合えるように、そんなポストシーズンにしたいなと思っています」
―今年の春季キャンプは球数を抑えた。レギュラーシーズンを終えて、手応えは
「たぶん12球団で一番、キャンプの球数が少なくて、たぶん12球団で一番、イニングを投げたので、そこは成功というか良かったかなとは思いますけど、別に推奨はしないですね(笑)」
―来年のキャンプも続けるのか
「もう20球くらい減らせるように。感覚としてはすごく良かったというか、ゲームと同じようなサイクルでブルペン入りしてっていうところと、そのブルペンとブルペンの間での確認がしっかりできたのが収穫だった。こういう動きをしとけば、これだけの出力をブルペンなり、ゲームの日に持ってこれるって、キャンプ中に確認できてたっていうのは、スムーズにシーズンに入っていけましたし、シーズン中もそれをずっと継続していけたっていうのは、さっきの話にあったストレートの出力が落ちなかったっていうところにつながりました。ただ課題としては耐久性というところで、僕は特に問題なかったんですけど、これを見よう見まねでやってしまう、そこの難しさっていうのはもちろん出てくるので、そこをちゃんと僕も言語化するように、伝えるのであれば、それなりにピッチャー陣にも伝えていけたらなと思っています」
春季キャンプ中の2月9日、ブルペンで投球する伊藤
―耐久性の話があったが、ケアがきちんとできていたから
「僕は肩、肘、特に問題なく一年間、投げることができたので良かったんですけど、投げとくことで耐久性を付けるタイプのピッチャーもいるのかなと思うので。もし、それに挑戦してみたいっていう人が他球団にいたら、ぜひ直接、連絡してください(笑)」
―シーズン中に意識してケアに取り組んだのか
「ケアももちろんそうですし、毎日同じような準備、投げるまでの準備をしっかり考えてできるようになったのは一つ大きいかなと思うので、なんか細かい作業を怠らなかったのが一番の要因かなと思います」
―グラウンド外でのケア
「そうですね。体を温めるにしても、表面だけなんとなく温めるのか、中からしっかり温めるのかというのは全然、違ってくるので。ここ2年はすごく時間をかけてやっているので、しっかり芯から、あったまった状態でそのほかの作業というか動きも、より繊細に感覚も出てきたので、いろんな部分がつながって、けがなくシーズンを乗り切ることができたのかなと思います」
