今川優馬 エスコンでのCS出場かなわず「妻と2人で泣きました」
笑顔で打席に立った今川=撮影・近藤裕介
■みやざきフェニックス・リーグ オイシックス3-5日本ハム(10月6日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎)
必死に前を向いて1安打1打点!
日本ハムの今川優馬外野手(28)が「今までで一番、ショックだった」という前日5日の登録抹消から気持ちを切り替え、フェニックス・リーグで再出発した。
「2番・DH」で先発し、三回の第2打席で母校・東海大札幌高の後輩右腕、小林珠維から中前適時打を放って2打数1安打1打点。クライマックス・シリーズ(CS)ファイナルステージからの1軍復帰に目標を再設定し、前を向いた。
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「執念」で果たしたスピード復帰だったが…
激動の1カ月だった。9月9日のソフトバンク戦で約4カ月ぶりの昇格を果たすと、いきなり今季1号ソロを含む3安打3打点と大活躍した。同11日のオリックス戦でも3安打を放ち、〝一瞬のチャンス〟をつかんだはずだったが、好事魔多し。同14日の西武戦で右太もも裏を負傷し、ゲーム復帰まで約4週間と診断を受けた。
今季絶望かとも思われたが、「執念」が代名詞の男は諦めなかった。痛みを抱えながらも、同27日の2軍ヤクルト戦でスピード復帰すると、同30日のソフトバンク戦から1軍に戻り、同戦と4日のロッテ戦に出場。しかし試合後、無情にも2軍行きが告げられた。
「シンプルに(1軍復帰からの)2試合、あんまり良い結果が残せなかったので、抹消だったのかな。でも、今回の抹消、今までで一番(心に)きましたね。ショックでした」

目標の一つを失って「だいぶ落ち込みました」
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道産子の今川にとって、エスコンフィールド北海道で行われるCSは特別だ。5日の登録抹消は、11日から始まる同球場開催のファーストステージに出場できないことを意味する。
「エスコンでのクライマックスが目の前にあって、そこを一つ、目標に設定していたので、それが今、抹消されたので、もう間に合わない。そこに懸ける思いがあった分、だいぶ落ち込みました。目標をかなえられず、すごい悔しいです」と唇をかんだ。
思いを共有する最愛の妻
フェニックス・リーグに臨む2軍チームに合流する前に一度、家族が待つ札幌に戻った。最愛の妻は、泣いていた。
「家族とちょっとだけ時間があって、話しながら、妻と一緒に泣きましたね。やっぱり僕もそうですけど、妻も悔しかったと思う。僕が初めて出るエスコンでのクライマックスを楽しみにしていたので。きのう(5日)一日は結構、僕も落ち込んでいました。だいぶ無理をして調整をしてきて、打席に立ったら痛いとか言い訳はできないと言いつつも、痛さと、怖さも抱えながらだったので」
勝利のハイタッチをする今川(右)
何度でも立ち上がる元気印!
5日夜には、個人で契約しているメンタルトレーナーと対話し、心をリセットした。
「きのうの夜は、メンタルトレーナーの人にお願いして、話をする機会を設けてもらって、話をして、『最後の最後、1%でも可能性がある限りは、絶対に諦めちゃダメですよ』と言ってもらった。(チームが勝ち進めば)ペイペイでのファイナルステージ、日本シリーズもあるので、こうなってしまった以上、今はそこだけを見て、そこで活躍するためにどうするか、一緒に考えて取り組みましょうみたいな話をして、確かにそうだなと」
居残りで練習する今川
「使いたいと思ってもらえるような結果を」
夏に逆戻りしたかのような、暑さ厳しい宮崎の青空の下、今川は笑顔で打席に入った。
「もう、きょう(6日)からは切り替えて。シンプルに、自分が結果を残せなかったのが悪いので。技術不足を感じたので、もっともっとレベルアップして、また今川を使いたいなと思ってもらえるような結果をフェニックスで出していきます」。気持ちはもう、チームより一足早く福岡に向かっている。